自分の作品や自社の商品を紹介する手段のひとつとしてSNSを使う手法は定着して久しく、さりとてこれを自分でやってみると、意外と思ったようにはいかないものです。写真をはじめとしたビジュアルの組み合わせによって作品やブランドの持つ世界観を表現する基本は今も昔も変わりませんが、そのノウハウは日々進化しています。
「Instagram あたらしい商品写真のレシピ」では、Instagramの特性と他SNSとの比較や、カタログとして機能させるための具体例、掲載写真の作例まで、一般ユーザーから一歩踏み込んだ、作り手による情報発信の視点で役立つ実用的なノウハウを幅広く紹介しています。執筆を担当しているのは、インスタグラムをはじめ活躍の場を広げているフォトグラファー/インスタグラマーの綾さん、古性のちさん、6151さん、新田知沙さん、中野晴代さん。
本記事ではStep1「ビジュアルの発信ツール インスタグラムを理解しよう」より、組写真を使った情報発信の投稿アイデアを紹介します。
複数枚を組み合わせて情報を伝える
通常投稿では1回の投稿につき、最大10点の写真を見せることができます。一つの被写体を様々な角度から狙ったり、メインの写真とは異なる視点(例えば、商品写真に対してメイキング風景など)を組み合わせて、より多くの情報を伝えることができます。情報発信の幅が広がる複数枚の投稿アイデアをチェックしましょう。
様々な角度から切り取る
お気に入りのアンティークのフォークを、アングルを変えて撮影し、組み合わせて投稿しました。角度や切り撮る部分を少し変えるだけでも、3枚の写真はそれぞれ異なる印象が感じられ、多面的に魅力を発信することができます。
1. アンティークのフォークを主役に、小物を添えて撮影したメインカット。
2. フォークのかわいいと思う部分にフォーカスしたカット。
3. フォークを斜め上のアングルから見て、より質感がわかるように撮影。
Point
・俯瞰、水平、ハイアングルなど、様々な角度から撮影して、魅力的なカットを選ぶ。
・引きのカットは小物を添えるなど、単調にならない演出を加える。
アイテムの名前や情報を入れて見せる
この写真に写る小物は、いつも撮影に使用している小物で、他の投稿写真にも頻繁に登場していて私の写真を気に入ってくださっている方に紹介したいと思い、この写真を投稿しました。1枚目(上)はプロフィール画面に表示されるので他の投稿写真と同じくビジュアルのみ、2枚目(下)は文字情報をのせる、というように役割を分けて伝えています。
いつも撮影に使っている小物を真俯瞰で撮影したカット。
それぞれの小物に名前を付記。
Point
・同じ写真でもアイテムの情報を入れるだけで喜ばれる。
・メインの写真はビジュアルを重視、2枚め以降は情報というように役割を変える。