広告などで、ヘアサロンの名前とともに掲出されるヘアスタイルのイメージ。そのモデルを担当する人たちのことを、一般に「サロンモデル」(サロモ)と呼びます。
サロンモデルは、ヘアサロンのイメージや美容師個人の世界観を表現するうえで最も重要な役割を担う存在です。モデルの写真撮影は美容師自身が行う場合からプロカメラマンが担当することまでさまざまですが、ほとんどのケースで重要なことは「意図した通りの表現ができているかどうか」でしょう。
「美容師のためのサロンモデル撮影テクニック」では、サロンモデルを撮影する際に必要とされるテクニックを作例とともに紹介。地明かりの活用法など具体的な例から、知っておくと便利なちょっとしたコツを収録しており、美容師自身が撮影する場合にも参考にしやすい解説を掲載しています。
本記事では、スマートフォンを使ったサロンモデル撮影のコツについて解説します。
スマートフォンでサロンモデルを「簡単に」撮影してみよう
撮影:Maria by afloat 添田晃正
使用スマートフォン:iPhone XR
まずはライト不要の外で撮ってみよう
光には向きがあります。その向きを意識すると写真が変わります。
順光
順光で撮影すると、直射日光がモデルにあたるため、光の当たっている部分と影になっている部分の明るさの差が大きくなり、夏っぽい仕上りになります。
逆光
逆光で撮影すると、顔に影ができずに柔らかい雰囲気で撮影ができます。髪の毛が透けて見える部分ができて髪が輝いて見えます。
レフを使ってみよう
レフ一枚で印象が格段とUP!
レフなし
逆光は柔らかい光で撮れますが顔が暗くなってしまいます。
レフあり
逆光のときは顔が暗くなりすぎないようにレフ板で光を反射し顔を明るくするとより良い仕上がりになります。
背景に気を付けよう
カメラの角度を意識しよう
背景も意識しながら角度に気をつけて撮影しましょう。
同じ場所でも撮影する角度をほんの少し変えるだけで背景に写る物が変わってくるので、余計なものが写り込まないよう工夫することが大切です。
室内では照明を消そう
室内照明の色で濁ってしまう
室内灯あり
窓から入る自然光と、店内の照明の色は異なっているため、ふたつの色が混ざると正しい色がでずに濁ってしまいます。室内の照明のオレンジ色が強くなっています。
消灯
店内の照明を消して、窓から入る自然光のみがモデルに当たるようにすることで、色かぶりのない自然な色で撮影ができます。
ミックス光とは?
被写体に色の違うふたつ以上の光があたることで、色が混ざり、濁っている状態のことです。
一歩下がってズームしよう
近すぎると歪んでしまう
モデルとカメラの距離が近い
美容師は髪を直しながら撮影をするので、手が届く近めの距離で撮影しがちですが、スマートフォン(iPhone)のレンズはワイドレンズで歪みが大きく出る特徴があり、画面の中央が盛り上がってしまうため、顔が大きく見えてしまいます。
一歩後ろに下がる
自分が少し離れて少しズームにして撮影すると、歪みが取れて正しい形で撮影でき、モデルの顔も小顔になります。