広告などで、ヘアサロンの名前とともに掲出されるヘアスタイルのイメージ。そのモデルを担当する人たちのことを、一般に「サロンモデル」(サロモ)と呼びます。
サロンモデルは、ヘアサロンのイメージや美容師個人の世界観を表現するうえで最も重要な役割を担う存在です。モデルの写真撮影は美容師自身が行う場合からプロカメラマンが担当することまでさまざまですが、ほとんどのケースで重要なことは「意図した通りの表現ができているかどうか」でしょう。
「美容師のためのサロンモデル撮影テクニック」では、サロンモデルを撮影する際に必要とされるテクニックを作例とともに紹介。地明かりの活用法など具体的な例から、知っておくと便利なちょっとしたコツを収録しており、美容師自身が撮影する場合にも参考にしやすい解説を掲載しています。
本記事では「PATIONN」代表・石川武史さんのスタイリング例と、撮影の解説を抜粋して紹介します。
撮影場所:STUDIO TWOBEE
天気:曇り
照明:自然光
カメラ:Canon EOS R6
レンズ:EF50mm F1.2L USM、EF85mm F1.4L IS USM、TS-E90mm F2.8L
mitsugu’s METHOD 撮影テクニック
ナチュラルでノスタルジックな雰囲気を作る
大きな窓から入るたっぷりの光を生かし、背景の板のカラーとマッチするほんの少しノスタルジックな雰囲気を作っています。窓からの光はレフで反射させ、モデルの足下のレフでも顔が影にならないよう光を起こしています。
白い壁で明るくクリーンなイメージに
ひとつ目のスタイルと正反対側の白い壁を生かし、こちらも窓からの光のみ、自然光で撮影しています。床全面に白い板を敷いたため、モデル前にはレフを使わなくても顔が明るく写ります。全体的にクリーンで明るい印象です。
直射光を使った夏のような光
大きな通りに面した窓は、西日が挿し込むため明るく強い光が入ります。 それを利用し、南国リゾートのようなライティングとなっています。衣装やヘア、メイクをこの光に合わせて作っています。
Editor’s note
ストレートがあっという間にカーリーに!
美容師さんが当たり前のように行っているヘアスタイリング。目の前で見ていると、まっすぐだった髪があっという間にパーマをかけたようなスタイルになったり、それによってフェミニンにもなり、ボーイッシュにもなって、まるで魔法のようでした!
ヘアスタイル撮影では珍しい?
モデルさんに寝転がっていただいて撮影することも。本来のヘアスタイル撮影であれば、基本的に立った状態で前後左右を撮影しますが、寝転がることで髪も動き、ヘアカタログでは見せることのできない雰囲気が出ています。
写真にこだわりのある石川さん
ご自身でもカメラを持ち撮影するという石川さんは、作品撮りをすることにとても熱心です。この日も佐藤さんにレフを持ってもらい、自身の作ったスタイリングをパチリ。
カメラマンも顔負け?!
このときに撮影した石川さんの作品がこちら。モデルのポージング、顔の角度、光の使い方など、プロも顔負けの美しい仕上がりです。自分で作ったスタイルを自分で撮ることで、客観的な視点からヘアを見ることができるようになるそうです。