キヤノン主催の文化支援プロジェクト「写真新世紀」の2020年度(第43回公募)のグランプリ選出公開審査会が東京都写真美術館で行なわれ、樋口誠也氏(受賞作品『some things do not flow in the water』)がグランプリを受賞した。
「写真新世紀」2020年度(第43回公募)は、3月18日から5月31日の期間で募集を行ない、国内外から過去最多の2,002名(組)の応募があった。これら多数の応募から優秀賞選出審査会で優秀賞受賞者7名と佳作受賞者14名が選出された。
10月30日に行なわれたグランプリ選出公開審査会では、優秀賞受賞者 7名がプレゼンテーションと審査員との質疑応答に臨み、その後審査員の合議により樋口氏のグランプリ受賞が決定。審査員の美術批評家・椹木野衣氏は受賞作品について次のように述べた。
「方法論的なことだけではなくて、コンセプチュアルな行為をあえて写真と裸の付き合いとして自らの身体を使って試み、言葉のセンスも感じられました。どうしても固くなりがちな主題ではありますが、そこにユーモアと言って良いような柔らかな視点が感じられたことも評価に値します」(椹木)。
グランプリ審査会の模様はYouTubeにてライブ配信され、現在もアーカイブが公開されている。