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東京の“今”を伝える作品をWebサイトから発信する
宇佐美雅浩がコロナ禍の東京をテーマに新作を発表した。制作のきっかけは海外の美術館から届いた出品オファーだった。新型コロナウイルスが世界に広がる中、各国31名の写真家が窓をメタファーとして作品を撮り下ろす企画だった。宇佐美はその企画に、唯一の日本人として参加することになった。
まず向かったのは羽田空港国際線ターミナルだった。「人がいない空港で防護服を着たモデルを撮影しました。上がりをみて、もう少し続けて撮りたくなったんです」。
ここからプロジェクトが始まる。撮影地は都内に限定。額縁は今の東京を伝える「窓」として置いた。東京駅、渋谷、銀座などメジャーな場所ほど無人の状態、そんな「今しか撮れない街」を撮り続けた宇佐美だが、本作は今後も継続するという。
「オリンピック予定時期まで変化を追うつもりです。緊急事態宣言頃に比べ、今は人が街に戻り始めています。そんな状況も今しか撮れないし、撮ることに意味がある。過去の写真と対比させて見せるのも面白いと思っています」。
8月中旬、Webサイトで発表を開始。Instagramではコメントと共に作品を更新している。
「Instagramは日記的にアップしています。WebもSNSも発表の場としては実験的ですが、起きている事態を共有できるのも今らしいと思っています」。