オールドレンズ・ライフ
第35回

良いカメラパーツには相応の保護ケースを

かつてフィルムカメラで使われていた交換レンズは、現在においては「オールドレンズ」と呼ばれ広く親しまれています。

レンズは「写真うつり」の多くの部分を決める要素ですが、オールドレンズの世界においては、必ずしも画面のすみずみまではっきり、くっきり写ることだけが良しとされるわけでもありません。レトロな外観と個性的な写りも人気の一因です。

シリーズ10冊目となる「オールドレンズ・ライフ 2020-2021」では、現行のデジタルカメラで沈胴レンズを使う「沈胴レンズクロニクル」、あえてフレアやゴーストを発生させるレンズを使う「Flare Ghost Collection」などの特集を掲載。各レンズの特徴から装着前に押さえるべき注意点、実写作例など、レンズ沼のほとりに立つ人々の背中を押す内容となっています。

本記事では「OLL Pick Up」より、M型ライカ用アクセサリの本側ケースを紹介します。

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オールドレンズ・ライフ 2020-2021

 

ライカ小物のスペシャルケース

左:SOMKYケース(ブッテーロ/キャメル)税別価格:16,182円、右:SOMKYケース(ブッテーロ/チョコ)税別価格:16,182円

鳥井工房からSOMKY専用レザーケースが登場した。同社は高品位なライカ用レザーケースで有名だが、その作りの良さを活かしたSOMKYケースだ。

SOMKYはM型ライカ用の接写装置だ。ライカMマウントの沈胴式レンズ、具体的には沈胴式のエルマー50ミリF2.8、同じく沈胴式のズミクロン5センチF2を取り付けると、SOMKY側のヘリコイドで近接撮影が可能になる。今風に言うと、距離系連動可能なヘリコイドアダプターだ。SOMKYケースを付けると無限遠が出ないため、近接撮影したい時だけ装着する。つまり、ライカと一緒にいつも持ち歩く必要があり、そこで鳥井工房SOMKYケースの出番というわけだ。

本ケースは外革にイタリアンレザーのブッテーロを使い、内装はピッグスエードを使用。総手縫い仕上げでていねいに作ってある。外革はマレンマ、サドルプルアップでオーダーすることも可能だ。

同社のライカケース同様、本製品もSOMKYがガタつかないので、安全に持ち運びできる。また、内装のピッグスエードのおかげで、ケースを傾けるだけでスッとSOMKYが顔を出す。実に使い勝手のいい専用ケースだ。

SOMKYはライカMマウントの沈胴式レンズで接写を実現する。鳥井工房のレザーケースはこのSOMKY専用だ。
SOMKYが隙間なくジャストフィットで挿入できた。側面は革を重ねて堅牢な作りになっている。精密機器を大切に守ってくれるケースだ。

オールドレンズ・ライフ 2020-2021

 

著者プロフィール

澤村 徹


(さわむら・てつ)
フリーライター・写真家

マウントアダプターを用いたオールドレンズ撮影、デジタルカメラのドレスアップ、デジタル赤外線写真など、ひと癖あるカメラホビーを提案している。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」の他、雑誌、書籍など数多く執筆。

書籍(玄光社):
オールドレンズ・ベストセレクション
オールドレンズ・ライフ 2017-2018
マウントアダプター解体新書
作品づくりが上達するRAW現像読本

ウェブサイト:Tetsu Sawamura official site
Twitter:@tetsu_sawamura

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