かつてフィルムカメラで使われていた交換レンズは、現在においては「オールドレンズ」と呼ばれ広く親しまれています。
レンズは「写真うつり」の多くの部分を決める要素ですが、オールドレンズの世界においては、必ずしも画面のすみずみまではっきり、くっきり写ることだけが良しとされるわけでもありません。レトロな外観と個性的な写りも人気の一因です。
シリーズ10冊目となる「オールドレンズ・ライフ 2020-2021」では、現行のデジタルカメラで沈胴レンズを使う「沈胴レンズクロニクル」、あえてフレアやゴーストを発生させるレンズを使う「Flare Ghost Collection」などの特集を掲載。各レンズの特徴から装着前に押さえるべき注意点、実写作例など、レンズ沼のほとりに立つ人々の背中を押す内容となっています。
本記事では「OLL Pick Up」より、新型ライカMでオールドレンズを使う際に用いるマウントアダプターの例を紹介します。
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改良してTECHART LM-EA7に対応
K&Fコンセプトが一斉にライカMマウントアダプターを刷新した。理由はテックアートLM-EA7に対応するためである。LM-EA7はマウント面を前後してAF動作を実現するマウントアダプターだ。レンズ側マウントはライカMマウントを採用しているが、別途マウントアダプターを追加することで他マウントのレンズも装着できる。この二段重ねのセットアップの際、ライカMアダプターとLM-EA7が干渉してしまうケースがあったのだ。
LM-EA7と確実に二段重ねできること。この命題をクリアしたのがK&Fコンセプトの改良型ライカMアダプターというわけだ。他社マウントアダプターのために既存モデルを刷新するのは、相当な大英断と言えるだろう。