カメラを買い、日常的に写真を撮るようになると、思っていた以上に「光」の重要性に気づくのではないでしょうか。自然光を使い、自分なりに工夫して撮るのも楽しいものですが、ストロボを使って光をコントロールできれば、屋内、屋外問わず、様々なシーンでクオリティの高い写真が撮影できるようになります。
「はじめてのクリップオンストロボ」では、外付けのストロボ、いわゆるクリップオンストロボの使い方をやさしく解説。ストロボの使いどころやその効果を豊富な作例でわかりやすく紹介しており、実践するシーンをイメージしやすい点が特徴です。そのほか、露出の基本からシンクロ撮影、オフカメラ撮影などの応用テクニックまでカバー。近いシーンを自分で用意し、実践を繰り返すことで、確実に上達できる一冊にまとまっています。
本記事では、Chapter4「オンカメラ・ストロボで撮影するストロボ活用法」より、屋内でのテーブルフォトに役立つテクニックをピックアップしてお伝えします。
室内灯がある部屋で料理をきれいに撮影する
立体感が出る半逆光をストロボとレフ板で作る
室内照明だけで撮った料理写真が美味しそうに見えないのは、室内灯が料理に直接当たって、立体感があまり出ないのが原因です。また、部屋の照明による色かぶりも影響します。
室内灯を利用しながらストロボ光で撮影する場合は、左ページと同じくストロボ光が料理に逆光で当たるようにストロボの角度を調整します。具体的には、レフ板を料理の奥にセットします。ストロボをレフ板に向け、ストロボの反射光が料理に斜め奥から当たるように調整しましょう。これで夜の料理も立体感が出て美味しそうに写ります。ストロボ光が強いと室内灯を打ち消すことができます。逆にマニュアル露出でシャッター速度を低速に調整すれば、室内灯の色味を加えることもできます。
Point
- 半逆光の光をレフ板とストロボで作る
- 白熱灯より強いストロボの光で色かぶりを消す
- レフ板は白い画用紙や発泡スチロールでOK
部屋の白熱灯はついた状態で撮影。白熱灯より強いストロボの光で、白熱灯の赤みを抑えました。
アクセサリーを魅力的に見せる光を作る
天井バウンスとレフ板でキラキラをプラスする
アクセサリーを自然光が正面から差し込む窓際で撮影しました。アクセサリーへの映り込みを防ぐため、周辺を白レフ板で覆います。白のレフ板を両側に置いてアクセサリーに映り込む暗い部分を白くすると、全体が明るくなり、小物を置いているトレーの暗い影も薄くなります。さらにストロボを天井バウンスで発光させることで全体が明るくなり、より一層輝きが増した商品に仕上がりました。重ねたアクセサリーのどちらも見るため、F5に絞って撮影しました。
Point
- 商品撮影はレフ板を使って明るくする
- 自然光撮影で窓際に置いたら、天井バウンス
- 商品撮影はF値をあまり小さくしない
レフ板は両側に置きます。ストロボの光がレフ板でさらに明るくなります。レフ板は白いパネルや画用紙でもOKです。
使用イメージを撮る
モデルが入る時は柔らかい光で撮りたいので、デフューザーを付けて、調光補正をマイナスにします。
自然光が入らない場所でピアスを輝かせる
自然光が入らない場所でアクセサリー撮る場合、アクセサリーの奥にレフ板を置いてレフ板バウンスで逆光状態を作ります。引っかけるタイプのピアスは、透明なガラスにかけて撮影するのがオススメ。ガラスは光を透過させるので、輪郭が輝きます。アクセサリー手前にもレフ板を置き、逆光で暗くなった部分を反射光で明るくしました。