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メンバーひとりひとりの個性と、チーム力で五感を揺さぶる「シズル」を提案
博報堂プロダクツフォトクリエイティブがシズル専門の撮影チーム「drop(ドロップ)」を設立。この4月より本格稼働することとなった。
多くのフォトグラファーを擁し(現在25名)、人物撮影、商品撮影、もちろんフードシズルまで多様な広告写真を手がけている同社が、あえてシズルに特化したチームを創設した理由は「広告で重要度が高いシズル写真のジャンルで、五感を揺さぶるクリエイティブを提案する」ためだという。メンバーは大木謙一、亀井友吉、池田献児、辻 徹也、古川泰子、大津央、大谷麻葵、平田正和の8人。dropメンバーのひとり、大木謙一氏に話を聞いた。
「たとえばタレントと商品のシズルカットが入るグラフィックポスターの場合など、(それぞれの写真を別のプロダクション、もしくは個人のフォトグラファーが撮影するのではなく)人物は博報堂プロダクツのフォトグラファーが撮影、シズルカットはdropが担当するというワンストップのソリューションと、より強いメッセージを提案できます。制作進行の効率化はもちろんのこと、社内で企画を共有することにより、人物カットとシズルカットのマッチング、相乗効果が生まれます」。
「さらにdropの強味はチームであること。ディレクターから“プレゼンに向けてこんな撮影をしたい”という相談が来た時、ひとりの力で打ち返す答えと、チームで打ち返すものでは、提案の数や質は全く違ったものになります。チーム全員でアイデアを考え、時にはチーム内でコンペをして競い合い、そのアイデアを統合した形で撮影に臨む。実際に現場でシャッターを切るのはdropの全員ではありませんが、その撮影にはチーム全体のアイデア、技術が集約され活かされている。個人の力を超えた提案力と実行力がdropの大きな特徴です」。
メンバーの中には、クルマ撮影のエキスパートもいれば、人物撮影が得意というフォトグラファーもいる。その多彩な個性もdropの特徴だ。dropの提案する「シズル」が単にフードフォトのシズルだけに留まらないのは、このページに掲載したメンバーの作品を見ればわかる通り。
「もちろん食品、飲料のシズルがベースとなりますが、それだけではなく、たとえば雨の日のクルマ、そのフロントガラスについた雨のシズルであったり、ビューティ写真のヘアの質感や肌の瑞々しさだったり、それぞれの経験と技術を活かし、広告写真の様々なジャンルで五感を揺さぶるような究極の1枚を提案していきます」。
この業界では気持ちが動かされる写真、音や匂い、感触まで伝わるような写真を「シズっている」と評することがある。極論を言えば「いい広告写真にはシズルがある」。新チームdropが今後、広告フォトクリエイティブにおいてどんな波紋を広げるか、楽しみだ。