早川倫永写真展「MIRROR」

2019年7月24日~8月5日 America-Bashi Gallery

(c) 早川倫永

そこに写るのは被写体か、写真家自身か

早川倫永が自身4回目となる個展を恵比寿・アメリカ橋ギャラリーで開催する。

タイトルは「MIRROR」。鏡は言うまでもなく、光の反射を利用して姿・形を写し見るための生活道具なのだが、写真家にとっては単なる道具以上の存在だ。普段は鏡越しに人と目が合うのは恥ずかしくて苦手だと話す早川だが、カメラ内の鏡越しになら、その感覚はなくなるという。

鏡はこれまで多くの写真家たちが作品のモチーフやアイデアに組み込んだり、写真を語る上でのキーワードとして取り上げられてきた。

そもそも、写真家達はカメラの中にある鏡越しに、被写体を見据えているのだから、写真と鏡は切っても切れない関係なのかもしれない。

写真は被写体だけでなく、撮り手を赤裸々に写し出す鏡のような存在だという。では、本展で発表する作品では早川の何を写し取ったのか? と尋ねると、「自分が思い描き続けた、撮りたかった人を撮れた時の喜び」と言う答えが返ってきた。

本展で展示される写真全てにその喜びが現れているのだという。2014年の初個展から、ポートレイト作品を発表し続けてきた。今回の被写体は女優・祷キララをはじめ、モデル、バレエ講師などプロも一般人も関係なく、早川が撮りたいと思った人々。撮影は基本的に1対1。カメラを意識させないように自由に動いてもらった。

フォトグラファーデビューから15年経った今、仕事でも作品撮りでもシャッターを押しているだけで楽しいと話す早川。その喜びが詰まった全20点を発表する。

<写真展情報>
早川倫永写真展「MIRROR」
会場 :America-Bashi Gallery
https://americabashigallery.com/
東京都渋谷区恵比寿南 1-22-3
会期:2019年7月24日(水)~8月5日(月)
開廊時間:12時~19時(初日は14時から、最終日は17時まで)
休廊日:会期中無休
入場料無料

(c) 早川倫永

コマーシャル・フォト 2019年8月号

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