女の子が動きでかわいく見えちゃう55の撮り方
第4回

モデルは棒立ちで撮らない。何かが起こりそうな不確定な要素を入れ込む

モデルの撮影時に、どのようにポーズや動きをとってもらったらよいか?ということは、カメラマンにとっていつも悩みどころです。自分から動けない初心者のモデルには、カメラマンが的確に導いてあげる必要があります。「女の子が動きでかわいく見えちゃう55の撮り方」は、この重要なポイントである「動き」をテーマに、伸びやかで躍動感のある写真の作り方を解説しています。

本記事では、チャプター1の「動きを撮るための基礎知識」から、ワタナベタイシさんのアイデアをご紹介します。

女の子が動きでかわいく見えちゃう55の撮り方

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「できるかどうかわからない」にチャレンジしてもらう

[共通撮影DATA] ニコンD810 ニコンAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED (55mm) F3.5 1/125秒 ISO400 WB:オート

モデルの動きを引き出すのに、ひとつ重要なポイントがある。それは何かが起こりそうな不確定な要素を入れ込むことだ。

というのも、動きを撮っていくうちに、モデルも撮影者も慣れてくる。それでブレやピントのミスは少なくなり、いわゆる成功の確率は高まっていくのだが、そうすると、逆に「動きを狙う意味」を失ってしまいかねない。

それは動き自体の新鮮さや、生き生きとした表情を得ること。そして想定をはみ出すような偶然性を得ることだ。
そのために、どうするかだが、モデルが「できるかどうかわからない」ことを盛り込もう。

写真は、そのわかりやすい例として、バランスボールに乗ってもらった。当然、難しくバランスを崩すだろうと想定していたが、モデルの体幹が良いため、見事安定してしまった。そこで、急遽バランスボールに乗りながら、カラーボールをキャッチするというお題を付け加えて、難易度を上げた。

こうして、不規則な動きと「うわぁ〜」「きゃあー!」という悲鳴を聞きながら、破顔を狙った。

ITEM バランスボール


バランスボールでバランスを崩させる(笑)。パンパンに空気を詰めず、少しだけゆるく空気を入れると乗りやすくなる。

14時30分ごろ、室内で撮影。横の窓から入る太陽光を主光源にして、白レフで反射させている。白レフは影をやわらげる目的で入れている。

女の子が動きでかわいく見えちゃう55の撮り方

著者プロフィール

ワタナベタイシ

ワタナベタイシ

1976 年愛知県出身。学生時代に音楽活動をしていた経験を活かし、音楽関係を中心に撮影・デザイン活動を行う。2012 年より拠点を東京に移し、写真撮影と同時に、ミュージックビデオなど動画の制作を開始。「地下アイドル」と呼ばれるアイドルの写真・映像作品を多数制作。アイドルフェスのオフィシャルカメラマンとしてライブ撮影に多数参加している。
Twitter:@stripsoul

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