ライカMLレンズ・ベストセレクション
第4回

一生に一度は使ってみたい圧倒的存在感のライカレンズ Noctilux 50mmF1

オールドレンズに興味を持つと、いつかライカレンズを使ってみたいと憧れを抱く人は多いだろう。特にズミクロン、ズミルックス、ノクティルックスなどのオールドライカレンズは、まさに憧れの的そのものだ。

写真家の澤村徹氏は「ライカMLレンズ・ベストセレクション」で、新旧を問わずライカMLマウントレンズを紹介している。本家たるライカ製を筆頭に、昭和時代の日本製レンズ、ロシアレンズ、ツァイス、フォクトレンダー、そして昨今台頭してきた中国製レンズまで、様々なタイプのライカMLマウントレンズを豊富な作例とともに取り上げている。

本記事では、2章の「オールドライカレンズ Mマウント編」から、Noctilux 50mmF1(ノクチルックス)ついて解説する。

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ライカMLレンズ・ベストセレクション

F1とは思えないシャドウの締まり

ノクティルックスはもっとも明るいレンズに付けられる称号だ。その存在感は圧倒的である。

ノクティルックスはライカのもっとも明るいレンズに付けられる名称だ。大きなボケを生み出し、それはこのレンズだけのアドバンテージである。ただし、ただボケが大きいレンズというわけではない。総じて大口径レンズは開放だと描写が甘くなるが、ノクティルックスは開放からコントラストが強い。大きなボケと強いコントラストが合わさり、目の前の光景を印象深く切り取ってくれるのだ。その描写をひと目見れば、多くの人が惚れ込む理由もわかるだろう。

第2世代ノクティルックス専用の12519を装着。スリットでファインダーを覗いた際のケラレを軽減する。

 

絞りリングに記された「1」が大口径の証である。

 

日中は開放だと露出オーバーになってしまうので、NDフィルターで減光しよう。

Leitz
Leica M mount
Noctilux 50mmF1
中古価格:650,000 ~ 850,000 円
1976年に登場した第2世代のノクティルックス。第2世代はフィルター径がE58とE60の2種類があり、この個体はE58の前期型となる。

Data Leica M(Typ 240) + Noctilux 50mmF1 絞り優先AE F1 1/4000秒 -1.33EV ISO200 AWB RAW 小屋の窓辺りに開放でピントを合わせる。中遠距離なのに背景の崖がボケている。この立体感に驚かされる。
Data Leica M(Typ 240) + Noctilux 50mmF1 絞り優先AE F1.2 1/1500秒 ISO200 AWB RAW 前後の大きく滑らかなボケは、ノクティルックルならではの描き方だ。周辺光量落ちはかなり大きめだ。
Data Leica M(Typ 240) + Noctilux 50mmF1 絞り優先AE F1 1/125秒 -0.66EV  ISO200 AWB RAW 開放は滲みこそしないが、シャープネスはやはり柔らかい描写になる。その柔らかさとハイコントラストのギャップが妙味だ。

 

ライカMLレンズ・ベストセレクション

著者プロフィール

澤村 徹


(さわむら・てつ)
フリーライター・写真家

マウントアダプターを用いたオールドレンズ撮影、デジタルカメラのドレスアップ、デジタル赤外線写真など、ひと癖あるカメラホビーを提案している。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」の他、雑誌、書籍など数多く執筆。

書籍(玄光社):
オールドレンズ・ベストセレクション
オールドレンズ・ライフ 2017-2018
マウントアダプター解体新書
作品づくりが上達するRAW現像読本

ウェブサイト:Tetsu Sawamura official site
Twitter:@tetsu_sawamura


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