2019年3月29日～4月14日 BOOTLEG GALLERY

“Brexit”を間近に控えたイギリス。市井の人々の物語。

EU離脱が間近に迫り、今なお様々な議論が繰り返され、混沌とした情勢にあるイギリス。2004年の滞在時より“Brexit”の国民選挙後までの15年間を撮り続けた金玖美が、離脱日の3月29日に合わせて写真展「EXIT」を開催する。離脱を選択したこの国の多文化、多民族への寛容さが失われることを憂慮し、本作の発表に至った。

この話題となると、政財界の要人ばかりに焦点が当たり、どうしても「離脱か」「残留か」という政治的対立の視点で語られがちだが、作者がフォーカスしたのは主にロンドンに暮らす市井の人々。様々なルーツを持つ移民や、性差を超えた男女、単身者、カップル、家族─彼ら一人一人から紡ぎだされる時空間が、静かに、丁寧に、しかしどこかしら漂うけだるさや閉塞感とともに写し撮られている。

幼少の頃、繰り返し読んだ本に出てきたイギリスの地名に惹かれ、20歳で初めて一人で訪れ、その後、2年間滞在。作者にとって、イギリスはもはや幻想で胸を膨らませる世界ではなく、現実だ。この国に住む身近な“愛すべき他人たち”と、その未来に思いを馳せる写真展となる。

会場では、本展と同タイトルの写真集を発売する。

＜写真展情報＞
金 玖美 写真展「EXIT」
会場 ：BOOTLEG GALLERY
http://www.bootleg.co.jp/
東京都新宿区改代町40 1F
会期：2019年3月29日（金）～4月14日（日）
開館時間：12時～20時、会期中無休
入場料：無料