ニッポンぶらりカメラ旅
第5回

いい写真とダメな写真は何が違うのですか?

写真にハマっているアマチュアにとっては、「テーマはどんなものにすればよいか?」「撮影方法はどうすればよいか?」「上手に写真を撮るためには?」など、本気になればなるほど、堅く考えてしまうものです。そんな人達に写真家の丹野清志氏は、著書「ニッポンぶらりカメラ旅」の中で、肩ひじはらずにカメラを持ってふらっと旅をして、思いつくままに写真を撮ることを勧めています。「町から町へ、なりゆきまかせで移動していくと、いろいろな出会いがあり、出会いの一つ一つに心がふるえるのです。」と言います。
そんな心をふるわせる被写体に出会える旅はどうしたらできるのでしょうか?


本記事では、第1章「ぶらりカメラ旅入門」からのアドバイスをご紹介します。

ニッポンぶらりカメラ旅

>この連載の他の記事はこちら
>前回の記事はこちら

ローカル線は朝夕以外はがらがらです。[陸羽西線車内]

いい旅すればいい写真

「上手い写真」というものに対して「下手な写真」というのがあって、「いい写真」に対して「ダメな写真」という言い方があります。

写真作画上達法をきちんとマスターして、被写体別作例見本にしたがって撮られた写真が上手い写真。一般的な趣味写真の見方をすればこれが傑作、ベスト写真です。下手な写真その1は、ただきれいだから写しただけの色彩画像。これは説明のための写真や記念写真であれば特に問題はないと思いますが、ひとに見せる写真としては落第です。下手な写真その2はちょいとややこしい。ヘタウマという言葉がありますが、ヘタウマ写真というのは技術は下手ふうだけど写真は面白いよというやつで、ま、これはぶらりカメラ旅写真に近いのかも。

さて、いい写真とは何か。単に撮り方の上手さだけではないので言葉での解説は難しいのですが、さらりと言えば、「写真を撮った作者の気持ちが伝わってくる写真」でしょうか。逆に作者の思いも心情も感じられない写真がダメな写真。撮影技術はすぐれていても、その人の旅が見えてこない写真はつまらないダメな写真ということになります。

ぶらりカメラ旅では、被写体への関心とともに、旅した人の「旅のこころ」が感じられる写真が「いい写真」ということになります。

一人旅であれ二人旅であれ、観光旅行であれ、その旅で何か得られるものがあったのならそれはいい旅だったと言えるでしょう。ぶらりカメラ旅でも、いい旅をしたなあと思ったら、いい写真が撮れているはずです。

小さな集落風景は、眺めているだけで気持ちがほっとする。[福島県下郷町]

 

ニッポンぶらりカメラ旅

 

著者プロフィール

丹野 清志

(たんの・きよし)

1944年生まれ。東京写真短期大学卒。写真家。エッセイスト。1960年代より日本列島各地へ旅を続け、雑誌、単行本、写真集で発表している。写真展「死に絶える都市」「炭鉱(ヤマ)へのまなざし常磐炭鉱と美術」展参加「地方都市」「1963炭鉱住宅」「東京1969-1990」「1963年夏小野田炭鉱」「1983余目の四季」。

主な写真集、著書
「村の記憶」「ササニシキヤング」「カラシの木」「日本列島ひと紀行」(技術と人間)
「おれたちのカントリーライフ」(草風館)
「路地の向こうに」「1969-1993東京・日本」(ナツメ社)
「農村から」(創森社)
「日本列島写真旅」(ラトルズ)
「1963炭鉱住宅」「1978庄内平野」(グラフィカ)
「五感で味わう野菜」「伝統野菜で旬を食べる」(毎日新聞社)
「海風が良い野菜を育てる」(彩流社)
「海の記憶 70年代、日本の海」(緑風出版)
「リンゴを食べる教科書」(ナツメ社)など。

写真関係書
「シャッターチャンスはほろ酔い気分」「散歩写真入門」(ナツメ社)など多数。

著書(玄光社)
町撮りアート写真ブック
ニッポンぶらりカメラ旅
お気に入りカメラで楽しむ自分流町歩き写真の方法
写真集のつくり方
写真教室では教えない“新スナップ写真”の方法
誰も教えなかった “自分流写真”の方法
[四季を味わう]ニッポンの野菜


関連記事