「赤城写真機診療所 MarkII」では、カメラや撮影にまつわる悩みや迷いを「疾患」に見立て、「撮影科」「カメラ科」「レンズ科」「婦人科」それぞれのカテゴリーで、質問を「症状」、回答を「診察」としてカメラや写真、撮影時の疑問に答えています。
「診察」と銘打ってはいますが、要は著者によるお悩み相談。「カメラあるあるネタ」に対する著者の見解を楽しむ一冊となっています。
本記事では「撮影科」における診察内容の1つをお届けします。
SNSで「いいね!」をたくさんもらいたいです。どんな写真を撮ればよいですか? いいねの数は写真の評価なのでしょうか?
SNSに投稿した写真に「いいね!」がついて嬉しい。そうだよね、人間はいつも褒められていたいもの。でもねえ、「いいね!」がたくさんついたから、それがいい写真という考え方は少々短絡的だよね。知人が新しく写真を投稿したら、ご挨拶がわりに「いいね!」を押すのはフツーではないですか?
たしかに気合いの入った写真をバリバリ投稿している人も多いし、こういう人は真剣なんだろうなと。瞬時に、同時に世界中の人に自分の写真を見せることができるのは驚くべきテクノロジーだし、国や言語や思想心情や人種を超えて、写真が評価される。これはすごいことだけれどもね。
ただ、個人的な価値観としては「たかがSNS」という感覚はいつまでたっても抜けませんなあ。だから、カメラとスマホの連携がどれだけ便利になろうとも、カメラで撮影した写真をSNSに投稿しようとは思わないわけ。このあたり皆さんは写真の価値観をどう持つかですね。私も職業写真家もやっているので、自分で気に入った写真をタダでなんか見せられませんぜ。