デジタルカメラやスマートフォンの性能が上がり、シャッターを押せば誰でもカンタンに美しい写真が撮れるようになった。しかし、「ワンランク上の写真を撮りたい、もっとレベルアップしたい」という人も多いだろう。萩原ブラザーズこと、風景写真家の萩原史郎氏と萩原俊哉氏は、共著の「風景写真の便利帳」で自然風景撮影にかかわるさまざまなノウハウを紹介している。
本記事では「メンテナンス&自主練習編」の「自主的に行う練習」より、複数の写真を組写真として作品に仕上げる方法を紹介する。
CHECK POINT!!
- 組写真は作家性や総合力の勝負
- 組写真はさまざまな弱点発見の場
- 弱点を知ればレベルアップができる
組写真とは、2点以上、5〜6点程度までの範囲(厳密な範囲はない)で、あるテーマに基づいて写真をまとめるもの。
単写真は、あくまでも1点の力で競うものだが、組写真は1点の力云々ではなく、全体を通しての主張や物語性、内容性を問う。だから1点だけならまぐれでも撮れることはあるが、組写真となると、作家性や総合力が必要になる。実力の世界なのだ。だからあえて組写真に挑戦して欲しい。自分が普段から撮影している被写体でいいし、その日一日に撮った写真から組んでもいい。ストックの中から四季立てで組むことは、風景写真のジャンルではベーシックな考え方なので、そこからスタートしてもいい。
では、組写真にトライすることで何が得られるのだろう。もしかするとテーマを持っていないことに気づくかもしれない。写真を見直すことで、自分のレベルに気づくこともあるだろう。四季の中で明らかに足りない季節を発見できることもある。これらを把握して補強していく撮影を行えば、確実にレベルアップにつながるはずだ。
この4点は写真展に出展したときのもので、4点一組の組写真としてまとめてある。木の佇まいをテーマとして、春夏秋冬それぞれの季節から一枚を選び一組としている。
展示の方法は、上段左に春、右に夏。下段左に秋、右に冬を配置し、白背景と黒背景を対角方向で対比させる構成とした。
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