赤城写真機診療所
第10回

等倍画質にこだわるのは別に悪いことではない

赤城写真機診療所 ~そんなカメラは捨てなさい~」では、カメラや撮影にまつわる悩みや迷いを「疾患」に見立て、「カメラ科」「レンズ科」「撮影科」「アクセサリー科」それぞれのカテゴリーで、質問を「症状」、回答を「診察」としてカメラや写真、撮影時の疑問に答えています。

「診察」と銘打ってはいますが、要は著者によるお悩み相談。「カメラあるあるネタ」に対する著者の見解を楽しむ一冊となっています。

本記事では「撮影科」における診察内容の1つを抜粋してお届けします。


撮影した画像をパソコンで表示したときに、等倍まで拡大してピントを確認しないと気が済みません。私は病気でしょうか?


撮影画像を等倍かそれ以上に表示してピントや画質を確認するという行為は多くの人がPC上で行っていて、それがレンズ評価や画像評価の基準になることがある。

最近のデジタルカメラはいずれも高画素だから、ピントの精度やレンズの性能が問題になるようになった。超高画素機では、よりシビアな撮影精度が要求されることはいうまでもない。ピントが外れていたり、手ブレをしていては超高画素機を使う意味はなくなってしまうからである。

もっとも理屈ではそうだけど、家庭で使う一般的なプリンターでは大型プリントといってもA3ノビのサイズで出力するのがせいぜいであろうから、プリントからは本当のピントの精度はわからないし、何よりも超高画素機を使用して撮影しても、ポテンシャルを完全には引き出しているとはいえない。

それでも将来的に超大型のプリントを作成して写真展で展示する日が来ないとも限らないし、写真の一部をトリミングしたら名作になるかもしれない。そのときにブレやピンボケなど技術面でツッコミが入らないように普段から手を抜いた撮影をしないように、常に撮影画像を等倍にして観察を行うというのは悪いことではないのかもしれない。そのことが自分のスキルの維持に繋がるかもしれないからだ。

私自身はカメラやレンズのレビュー仕事では拡大観察して評価するけれど、プライベートで制作する写真では滅多にやらんなあ。もっと大切にしたいことがあるからね。

写真+イラスト:大村祐里子


赤城写真機診療所

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続編「赤城写真機診療所 MarkII
(2018年6月29日発売)


著者プロフィール

赤城 耕一


(あかぎ・こういち)

1961年、東京生まれ。東京工芸大学短期大学写真技術科卒業。出版社を経てフリーに。雑誌、コマーシャル、企業PR誌などで人物撮影を主に担当する傍ら、戦前ライカから最新のデジタルカメラまでレビューも行うカメラ好き。カメラ雑誌、書籍など執筆多数。
「銀塩カメラ放蕩記(アサヒカメラ)」「ボケてもキレても(月刊カメラマン)」連載中。

書籍(玄光社):
中古カメラはこう買いなさい!
ズームレンズは捨てなさい!

Twitter:@summar2
ブログ:赤城耕一写真日録


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