MOZU 超絶精密ジオラマワーク
第4回

現実のどこにも存在しない「友達の部屋」は自分自身のモデルルーム

ジオラマアニメーターのMOZU氏は、すべて独学、手づくりでジオラマ作品やアニメーションを生み出している若干19歳の少年です。現実と見分けがつかないほどリアルな作品をTwitterで公開すると、たった一日で4万リツイート、5万いいね!を獲得し、テレビ、ツイッター、雑誌で大注目を浴びています。

MOZU 超絶精密ジオラマワーク」(著・MOZU)では、彼の新作を含め、これまでに制作したジオラマ作品やコマ撮りアニメーション作品を紹介するとともに、制作方法や制作現場、道具、アイデアノートなども掲載し、各界から天才少年と呼ばれるMOZU氏を徹底解剖しています。

本記事では、MOZU氏が自由に作った、現実には存在しない「友達の部屋」をご紹介します。

初作品からの3年間で、自分はどれだけ成長したのか

初のジオラマ作品である「自分の部屋」から3年後につくったのが、この「友達の部屋」です。

コマ撮りアニメの舞台として制作した教室や本屋のセットは、学校から持ち帰る時に解体してしまいました。メディアに取材をされた当時、紹介できるのが一番最初につくった「自分の部屋」しかなかったのです。3年で技術も上がっているのに、過去の作品しか見せることができずとても悔しくて。また、1作目からどれだけ自分が成長したかを知りたかったというのもあって制作しました。

実は、この作品にはモデルがありません。「友達の部屋」と名づけていますが、実際に存在する部屋を再現したのではなく、完全に想像でつくっているのが特徴です。自分の部屋をリアルに再現した初作品とは違い、無限に自由で自分の理想が詰まった、いわば僕自身のモデルルームなのです。

より自由度の高い世界へ

リアルなモデルが存在しないことで発想も技術も驚くほど広がった。

実在の場所を忠実に再現している今までの作品とは違い、今作はモデルが存在しない。そのため、より自由度の高い制作を体験できた。部屋の間取りや壁紙の色はもちろん、机やベッドのデザインも思うがまま。つくるのが楽し過ぎて何回も徹夜したのは言うまでもない。

絵を描くのが好きな少年の部屋という設定のため、文房具の占める割合が高い。棚の上のイラストは、中学生の頃に描いたものを縮小コピーして使用。
中に教科書が詰まった引き出し。本物と同じ仕組みでつくっているので、開けたり閉めたりできる。
『トムとジェリー』がモチーフ。遊び心と、展示をした時の注目ポイントにもなっている。

ジオラマに登場するアイテム

【文房具】

素材:プラ板、プラ棒、消しゴム、セロハンテープ

作り方:消しゴムケースのみが紙で、他はプラ板とプラ棒でつくっている。消しゴムケースの中には本物の消しゴムをカットしたものを、セロハンテープも本物を細くカットしたテープを巻いている。

【文房具ケース】

素材:プラ板

作り方:絵を描くことが好きな少年の部屋という設定のため、ペンが取り出しやすいケースを作成。本物をよく観察し、すべてプラ版で制作。

【工具箱】

素材:プラ板、セロハン、ビニール

作り方:各パーツごとにカットして接着し、塗装する。工具箱のはずなのに、なぜかお菓子の袋や紙コップなどのゴミしかはいっていないところが実に男子らしい。

【鉛筆削り】

素材:プラ板、プラ棒

作り方:誰もが見たことのあるメジャーな鉛筆削りを目指し制作。カットしたプラ板を接着し色を塗っていくが、ほどんどのパーツの角が丸いため、全部やすりで削っている。

【ブックエンド】

素材:プラ板、紙

作り方:薄いプラ板をカットして接着し、塗装する。値段のシールを貼ることで、一気にリアルさが増す。


MOZU 超絶精密ジオラマワーク

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著者プロフィール

MOZU

(もず/水越清貴)
ジオラマアニメーター

1998年7月生まれ。東京都立総合芸術高等学校、美術科映像メディア表現専攻卒業。漫画家志望だった父親の影響で保育園の頃から漫画を描き始め、将来漫画家になることを夢見る。小学生の時にガンプラにはまり模型の楽しさを知る。

中学生になるとプラモデルを使ったジオラマ制作を開始。コマ撮り・クレイアニメ制作会社アードマン・アニメーションズの「ひつじのショーン」に憧れ、独学でコマ撮りアニメーションの制作を始める。高校1年の時につくった「自分の部屋」の1/6ジオラマの画像を、友人がTwitterで紹介してくれたことがきっかけで1日4万リツイートと拡散。ネットやテレビで取り上げられる。

2015年10月、セットのジオラマや人形制作、撮影、編集、監督などすべてを1人でつくり上げたコマ撮りアニメーション「故障中」がTBS主催のアジア最大の映画祭「Digicon6」で、Youth部門の最優秀賞ゴールドを受賞。「さぬき映画祭」「なら国際映画祭」などに招待されトークショーなどを行う。テレビからも多数取材を受け、「王様のブランチ」 「news every」「とくダネ!」「世界まる見え! テレビ特捜部」などにも紹介される。

2016年10月、卒業制作作品として「マルとマリ」を制作。この作品は前作を上回る反響があり、アメリカのテレビ局「RightThisMinute」や「NHK ワールド」日テレ「スッキリ!」、また「週刊新潮」のカラーグラビアでも紹介される。 2017年5月、初の海外一人旅で、憧れだったアードマン・アニメーションズを見学。

2017年6月、イギリスのプロダクションから声がかかり、インターンとして2週間ストップモーションアニメの制作に参加。

書籍(玄光社):
MOZU 超絶精密ジオラマワーク

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