中平卓馬、1974年発表のインスタレーションが蘇る
写真集「氾濫」の刊行に合わせ渋谷・CASE TOKYOで中平卓馬の展覧会が開催されている。
昨年、シカゴ美術館で「Circulation」展、台北で「中平卓馬」展がそれぞれ開催されるなど、没後も国内外から注目を集め続けている中平。
この写真集「氾濫」は、1974年 東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展で、中平が制作した48点のカラー写真からなるインスタレーション作品を再構成したもの。当時の空間展示作品をどう写真集に昇華させているのかが大きな見所だ。
また、本展のもう1つの見所は、展覧会場壁面を使用したインスタレーション作品の再現。そこに登場するのは、壁を這う蔦、路上のマンホール、大型トラックのタイヤ、地下鉄構内など、どこか暗さや、不気味さを感じさせる都市の断片だ。
当時の都市に中平は何を見ていたのか。40年以上の時間を経て再び、写真家の思惑に触れられる。
<写真展情報>
中平卓馬「氾濫」
会場:CASE TOKYO
http://case-publishing.jp/space.html
住所:東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB1
Tel: 03-6452-6705
会期:2018年3月10日(土)- 4月14日(土)
定休日:月・日・祝祭日
営業時間:火〜土/11:00-19:00
『氾濫』
CASE Publishing刊
2018年3月刊行
判型:364 x 257 mm/数量限定トートバッグ付き
頁数:64頁
製本:ソフトカバー
デザイン:田中義久
執筆:フランツ・K・プリチャード
編集:澤田陽子
翻訳:倉石信乃
【関連トークイベント】
倉石信乃(詩人・批評家)×八角聡仁(批評家)
3月24日 17:00~18:30
参加費¥1,000円(要予約)詳細はWebサイトにて。