暮らしの文房具
第7回

単調な作業を楽しむ工夫

ステーショナリーディレクターとして文房具の商品企画やPRのコンサルティングを行う土橋正さんは、著書「暮らしの文房具」にて、じっくり使ってみて分かった、本当にいいと太鼓判を押す文房具を紹介しています。普段の生活から仕事まで、暮らしに寄り添い、長く愛用できる文房具とは、どのような逸品なのでしょうか?

ここでは、第14章「補充する」より「試験管」を紹介します。

シャープペンの芯交換を楽しみたくて

小さな試験管
13mm径×75mm

ガラス製なので、芯の残量もよく見える

万年筆を使っている方なら、きっとそうそうと共感してもらえると思うが、インクを入れる作業は楽しい。作業自体はインクで手が汚れたりして面倒な面もあるけど、楽しいのだ。特にボトルインクから吸入していると、万年筆そして自分にも元気を入れているような、そんな気分になる。同じ補充なのに、シャープペンの芯交換はあんまり気持ちが盛り上がらない。あくまでも作業という感じしかしない。

しかし、ある時気付いた。それはシャープペンの芯ケースのせいかもしれないと。それじゃ心躍るケースにしようと探してみた。そこで目を付けたのが、実験などで使う試験菅だ。以前からペンをディスプレイするのに使っていた。ただ、それではちょっと大きすぎるので、アマゾンで当てずっぽうに「小さな試験菅」と検索してみたら、本当にそういう名前の商品が出てきて驚いた。

シャープペン芯にピッタリのサイズ。0.5mm、0.7mm、0.9mmといった芯の太さ、そしてBや2Bなどの硬度が区別できるようにラベルを貼っている。シャープペンを耳元でシャカシャカ振って、その音でそろそろかなと芯の交換タイミングを判断する。いよいよその頃だなとなれば、引き出しから小さな試験菅を取り出し、コルクをポンッと抜いて芯を補充する。案の定、芯補充は楽しいものになった。


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著者プロフィール

土橋 正


(つちはし・ただし)

ステーショナリー ディレクター。

文具の展示会「ISOT」の事務局を経て、土橋正事務所を設立。文具の商品企画やPRのコンサルティング、文具売り場のディレクションを行っている。

文具ウェブマガジン「pen-info」では、文具コラムをはじめ、海外の文具展示会レポートな
ど様々な情報を発信している。新聞、雑誌などの文具特集にも多数参画。日本経済新聞社 新製品評価委員。

「仕事文具」「モノが少ないと快適に働ける」(東洋経済新報社)など著書多数。

書籍(玄光社):
暮らしの文房具


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