コマーシャル・フォト2018年4月号の特集「NUDE」では、巻頭約40ページにわたって、フォトグラファー5名による撮り下ろし作品を収録。このほかヌードフォトにまつわる最新事情やヌード写真集の歴史、そして一般的に想起される「ヌードフォト」の枠にとらわれない、ユニークな作品の制作に取り組む作家の活動にも言及しており、日本におけるヌードフォトの現在を垣間見られる内容となっています。
本記事では、特集に参加いただいたフォトグラファーのうち、ユウジ・ワタナベさんによる作品の一部を紹介します。
タイトルは「Veil/ Unveil」。僕が撮った8×10のポラに、アイスランド人のアーティストIngibjörgがペインティングしたコラボ作品です。
人間は誰しも、自分ではありのままの姿だと思っていても、その内面に何か秘めているんじゃないか? そんな人間の内面をテーマにしたダークファンタジーのイメージ。ヌードに限らず、僕は写真には現実と非現実が入り混じっていて、写真の中にしか存在しない世界があると考えていて、それに惹かれて写真を撮りだしたんです。特にヌード撮影ではピュア/イノセントと表裏一体な部分を大切にしていて、コラボを依頼したのも、Ingibjörgは僕とは異なった視点でのピュア/イノセントな意識を持ってるんじゃないか、と作品を見て感じたからです。
Ingibjörgの持つ神秘性をありのままに表現してもらいたかったので、コンセプトのみを伝えてあとは自由に制作してもらいました。
Perle management所属。留学をきっかけに写真を学び帰国後、スタジオ勤務。
2012年より拠点をフランスに移しパリと日本で活動中。ファッションなどで活動。