「光の魔術師イルコのポートレート撮影スペシャルテクニック」は、タイトルの通り、人物撮影時におけるラインティングテクニックを指南する主旨の書籍です。本書ではストロボライティングの基本と、後幕シンクロやマルチ発光などの応用技術をカバーしていますが、このほかにもストロボの基本を学ぶ前段階として、自然光を活用した撮り方も解説しているのが特徴となっています。
本記事では、チャプター1「撮影を始める前に知っておきたい基本」より、「ストロボ使用時のシャッター速度」に関する記述をご紹介します。
背景だけ明るくしたいなら1/200秒より遅くする
シャッター速度は、だいたい1/8000秒から30秒ぐらいまでの間を使います。露出差にすると、19段分です。覚えておきたいのは、1/250秒というシンクロスピードのシャッター速度(ストロボによって1/200秒だったりします)。
1/250秒より速いシャッター速度はハイスピードシンクロですが、これより遅くなるとストロボの被写体に届く光量が変わってくるので、条件が変わってきます。遅いシャッター速度にするほど、光をたくさん取り込んで背景を明るくすることができるので、夜景ポートレートや星空ポートレートで背景を写したいときはシャッター速度を遅くします。被写体はストロボで写し止めるので、シャッター速度を遅くしたことの影響は受けません。
つまり、被写体の明るさを変えずに、背景だけをコントロールできるのが、1/250秒以下というシャッター速度なのです。
シャッター速度を変えると背景だけが変化!
下の写真はF2、ISO250でシャッター速度だけを変えたものです。シャッター速度が速いほど暗く、遅いほど背景が明るくなります。被写体はストロボ光で露出を決めているので、シャッター速度が変わっても明るさは変わりません。
ハイスピードシンクロ
ハイスピードシンクロ対応のストロボで撮影。絞リをF1.8のまま、1/8000秒でハイスピードシンクロしています。太陽の光が強い日中は、1/4000~1/8000秒が多いです。
外部の光を利用した夜景
ショッピングウィンドウからの灯りを利用して、1/60秒で撮影しました。私が手持ちできるギリギリのシャッター速度。
ライトペインティング
8秒間に、私がライトを持って歩いています。光が軌跡になり、模様のように写し込むことができます。
よく使うシャッター速度は1/200秒
シンクロ速度はカメラの性能によって違いますが、1/200~1/250秒あたりが多い。そのため、作品も1/200秒あたりがいちばん多くなっています!
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