アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
第4回

特徴を引き出して描き分ける方法

「アニメキャラクターの作画&デザインテクニック」は、アニメーター・羽山淳一さんが考えたオリジナルストーリーに沿ってキャラクターデザインを考えていく形式で、キャラクターごとの特徴を最大限に発揮させるための描き分けの方法などを紹介しています。

第4回は、これまでよりもさらに踏み込んで、いかに特徴を引き出してキャラクターを描き分けるか、そのテクニックポイントをご紹介します。

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同一シーンに登場する可能性があるキャラクターが似てしまわないように、描き分ける必要があります。性格や人物背景をよく理解してキャラクターの要素がかぶらないよう、顔のパーツを考えてデザインしていきましょう。

Technique Point 01
同一シーンで他のキャラクターとかぶらないように!

同一シーンに登場する可能性があり、似たようなポジションのキャラクターはイメージがかぶらないように、それぞれの特徴に差をつけましょう。

素直で直情的

目が大きくしっかりした眉毛が揺るぎないまっすぐな性格を表している。

クールでアウトロー

細くてシャープな目と眉毛がどことなく淋しげで、クールな印象を与える。

賢くて冷静的

おでこが広いほうが利発そうにみえ、髪型は整えてあると秩序を守るタイプにみえます。

反抗的なひねくれ者

目尻が尖っているのが反抗的な印象を与えます。斜に構えている状態がひねくれた印象を表現。


Technique Point 02
女性キャラも性格や年齢の差で特徴が様々

明るく元気で前向き


目を丸く大きく、“きれい”というより“かわいい”イメージ。笑顔が映えるタイプ。

清楚で母性的

ふくよかなシルエットが柔和な性格を表現しています。口は小さめのほうが大人しくみえます。

気丈な冷たい雰囲気

目が細めで鋭く、眉も細いので冷酷で攻撃的な印象のタイプにみえます。

クールな大人の色気

シャープな形のメガネが大人の色気を漂わせています。クールでセクシーなタイプ。


Technique Point 03
性格による感情表現の違い

驚いたときの表情で、性格の違いを出してみましょう。

明るく元気な性格は体が前に出るように表現してみましょう。逆に大人しいタイプは後ろに引くような驚き方で描き分けるとキャラクターそれぞれの特徴を活かした表現になります。


Technique Point 04
体型や姿勢の設定

剣道経験者という設定の場合、剣道は正しい姿勢が必要となるスポーツなので、立ち姿が美しくなるように描くと良い。


Technique Point 05
巨漢タイプの体型

筋肉質タイプ(左)と食いしん坊タイプ(右)


同じ巨漢タイプでも、筋肉質タイプと食いしん坊で脂肪があるタイプで差をつけることができます。食いしん坊タイプは胴回りが太めです。


Technique Point 06
やわらかい表現

柔和な性格を表現するために、顎のラインを省略することによってシャープな感じが軽減され、少しふくよかなイメージになります。


Technique Point 07
性格や戦闘スタイルで対称的に体格を表現

なで肩タイプ(左)とがっちりタイプ(右)

左はなで肩にすることで非戦闘的でおっとりした印象を与えることができます。右は、対照的肩を張ってがっちりと筋肉質にしています。

手足が長いタイ プ(左)と手足が短いタイプ(右)


手足が細長いと、しなやかな感じになるので、クールなタイプのキャラクターに向いています。
一方、手足を短くすると、すばしっこい俊敏なイメージのキャラクターになります。

>第5回につづく


<玄光社の本>

アニメキャラクターの作画&デザインテクニック

著者プロフィール

羽山 淳一

(はやま・じゅんいち)
アニメーター、キャラクターデザイナー。

1965年、長野県出身。
高校卒業後ムッシュ・オニオン・プロダクションに入社。
『Gu-Guガンモ』(1984年)で動画デビュー。
『は~いステップジュン』(1985年)で原画デビュー。
『北斗の拳』(1987年)で作画監督デビュー。
『BE-BOP HIGHSCHOOL』(1989年)でキャラクターデザイン、デビュー。
1990年フリーランスとして独立。

書籍(玄光社):
アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
羽山淳一 ブラッシュワーク
羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ


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