アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
第5回

知っておくべきピンポイントテクニック

「アニメキャラクターの作画&デザインテクニック」は、アニメーター・羽山淳一さんが考えたオリジナルストーリーに沿ってキャラクターデザインを考えていく形式で、キャラクターごとの特徴を最大限に発揮させるための描き分けの方法などを紹介しています。

第5回は前回に引き続き、特徴を引き出してキャラクターを描き分ける手法を紹介しますが、今回は羽山さんとっておきのピンポイントテクニックが登場します。

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アニメキャラクターの作画&デザインテクニック

 

他にも知っておいたほうがいい、ちょっとしたピンポイントテクニックを紹介します。知っておいて損はないですよ!

Technique Point 01
動きがないシーンは歩かせると効果的

本来動きがない、話をしているだけのシーンも歩かせて表現すると動きが出るので退屈にならない。


Technique Point 02
片足立ちの場合、腕でバランスをとる

不安定なポーズの場合どこでバランスをとるかを考える必要があります。片足立ちのこのポーズの場合、腕でバランスをとっています。腕の開き具合や向きなどで微妙にバランスが変わってきます。


Technique Point 03
ある程度デフォルメした表現も必要!

素早い動きのキャラクターが走る際の姿勢は、低めの重心で前傾姿勢にして誇張したほうが効果的です。実際にはありえない走り方ですが、極端にデフォルメしないと伝わらないこともあるので、実際の走り方を把握したうえで、デフォルメするテクニックも必要です。


Technique Point 04
メガネはハイライトで表情を隠せる

メガネはハイライトで白くつぶすことで表情を隠すなど、演出の幅を広げることに便利です。


Technique Point 05
虚栄心が足先に出る

虚栄心の強い見栄っ張りなキャラクターは歩くときにつま先を上げると、それらしくみえます。


Technique Point 06
年をとったキャラクターは筋肉が緩み重力でたれている

年をとったキャラクターは頬や顎の筋肉が緩んでいるので、筋肉が重力に負けてたれている感じに描くようにしましょう。


Technique Point 07
明るい前向きなタイプはジャンプも前に出る感じに

明るい前向きな性格のキャラクターは、ジャンプするときも前に飛ぶような感じで描くとその性格を視覚的に表現できます。


Technique Point 08
メガネのツルは邪魔になるので省略する

表情をみせるときの邪魔になるのでメガネのツルは省略してもOK。

メガネのツルをくわえたりする場合など、外したときはツルが必要なときもあるので、使い分けをしましょう。


Technique Point 09
学生服やスーツはシワができにくい

良い生地を使っている服には余計なシワがつきにくいものです。ズボンなどはストンと落ちて下に溜まるようになります。素材に合わせて描き分けましょう。

 


<玄光社の本>

アニメキャラクターの作画&デザインテクニック

著者プロフィール

羽山 淳一

(はやま・じゅんいち)
アニメーター、キャラクターデザイナー。

1965年、長野県出身。
高校卒業後ムッシュ・オニオン・プロダクションに入社。
『Gu-Guガンモ』(1984年)で動画デビュー。
『は~いステップジュン』(1985年)で原画デビュー。
『北斗の拳』(1987年)で作画監督デビュー。
『BE-BOP HIGHSCHOOL』(1989年)でキャラクターデザイン、デビュー。
1990年フリーランスとして独立。

書籍(玄光社):
アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
羽山淳一 ブラッシュワーク
羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ

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