名建築とアートが融合するギャラリー「ときの忘れもの」(東京・駒込)

Ⓒタケミアートフォトスタジオ

六義園のほど近く、本郷通りから裏道へ入った閑静な住宅街。そこに、建築家 阿部勤が手がけた「LAS CASAS」をギャラリーにした「ときの忘れもの」がある。2017年7月に青山から移転したばかりだ。

「LAS CASAS」は、個人住宅として建てられたもの。当然ギャラリーとして使用できるスペースはない。そのため、1階から3階までの階段や廊下などに作品を展示している。阿部氏の傑作である建築と、アート作品の両方が楽しめる空間だ。

取り扱うのは、絵画や版画、オブジェなど芸術全般。当初、写真はジョナス・メカス、細江英公など、限られた作家を細々と扱っていただけだった。しかし、2008年頃からコレクターの紹介や作家との出逢いが重なり、取り扱う作家が増えていったという。

「私たちは写真に詳しくはなかったので、フォトビューイング(写真作家を招いて作品解説を行なうイベント)などを開いて勉強をしましたね」(ときの忘れもの・尾立麗子氏・談)。

現在は年間の展覧会のうち、半分程は写真関係。ゼラチンシルバープリントの作品を、展示・販売している。

「自分たちが『素敵だな』と思う作品を取り扱っていきたい。作品からパワーを感じるような。それは、写真でも絵画でも共通しています」(同氏・談)。

毎日更新するブログも人気だ。スタッフだけでなく、所属作家や評論家が連載を持ち、定期的に更新。ギャラリーから離れた場所でもアートを身近に感じることができる。

ときの忘れもの
〒113-0021 東京都文京区本駒込5-4-1 LAS CASAS
Tel 03-6902-9530
http://www.tokinowasuremono.com/


コマーシャル・フォト 2018年2月号

関連記事