ホビージャパンエクストラ 車模型特集「SKYLINE GT-R」
第1回

車模型を愛車カスタムで組んでみた ニッサン スカイライン GT-R

いま、1980~90年代に製造された自動車、いわゆる「ネオクラシック車」が人気を集めています。現在のトレンドにない特有のフォルムを持ち、クラシックと呼ぶには新しく、それでいて十分に実用的な性能を有するなど、趣味性と実用性のバランスが魅力の一つです。

車模型を開発・販売しているメーカーでも、ネオクラシック車の流行に合わせて様々な新製品が発売されています。「ホビージャパンエクストラ 2020 Winter」の特集「魅惑のネオクラシックカーモデル」では、ネオクラシック車の模型を軸として、これから車模型に挑戦したい初心者向けのハウツー記事や、車種の歴史などにも触れています。

本記事では特集の中から、モデラーのurahana3さんによる実車紹介と模型作例を抜粋して紹介します。

ホビージャパンエクストラ 2020 Winter

実車「SKYLINE GT-R(R34)V·spec II Z-tune CUSTOM」

日産が生み出したネオクラシックカー界最高ともいえるスポーツカー「スカイライン GT-R」。その魅力にどっぷり浸かり、今もなお愛車として運転しているのが、「月刊ホビージャパン」で活躍する主婦モデラー・urahana3だ。

過去に複数台所有していたこともあったようだが、今はこの1台。最後期型のR34のハイグレードモデルV・spec IIを、外装のみコンプリートカー「Z-tune」に仕立てたカスタムが行われているところからも、urahana3の”GT-R愛”がヒシヒシと伝わってくる。

取材/伊藤大介(ホビージャパンエクストラ編集部)、撮影/清水隆裕(ハーベスト・タイム)、撮影協力/urahana3 オーナーとそろい踏み。ここではプロモデラーとして、この愛車を模型で再現すべく腕を奮っているので、ぜひご覧いただきたい
フロント。通常のGT-Rとは異なりライト上面にカバーがかかっていて少々鋭い顔つきに
リア
ウィングのステーはアルミ製の社外のもの
NISMO Z-tune専用バナナ牽引フックを装着。「R」のロゴとともに赤いワンポイントととして映える
外装はコンプリートカーである「NISMO R34GT-R Z-tune」仕様。中身はV・spec IIのまま。こうしたカスタムはGT-Rファンの間では比較的ポピュラーらしい

模型作例「NISSAN SKYLINE GT-R (R34) V•spec II Z-tune CUSTOM」

現在乗っているGT-Rの実車を公開してくれたurahana3に模型で自家用車を再現してもらった。

外装をZ-tune仕様に変更しているので、メインをタミヤ ニスモ R34GT-R Zチューンにし、同社VスペックIIのキットのパーツを要所に使用。キットでは再現されていないurahana3仕様になっている部分も細かく再現してもらった。

ちなみに、urahana3が車模型の作例を手掛けるのはこれが初。持ち合わせている技量もそうだが「好きな車を作る」というモチベーションはクオリティにしっかり反映されることが良くわかる仕上がりとなっている。

使用モデル:
・ニスモ R34GT-R Zチューン 発売元/タミヤ 2800円、発売中 1/24、約19cm プラキット

・ニッサン スカイライン GT-R VスペックI(IR34)発売元/タミヤ 2500円、発売中 1/24、約19cm プラキット

スカイラインGT-Rシリーズとしては最後の型。Vスペックは上位グレードを意味し、走行性能を重視されているが、それとは別に乗り心地と上質感を重視したMスペックも展開された。

エンジン/2568cc直列6気筒DOHCツインターボ、 駆動方式/四輪駆動(4WD) 全長/4600mm、全幅/1785mm、全高/1360mm 販売期間/1999年〜2002年

フロアマットは「タミヤ1/24 ニスモR34GT-Rエッチングパーツセット」に入っていたもの。ペダル部分にもエッチングパーツを貼っており、実車もこんな感じ
シートの4点ベルト用の穴がキットでは埋まっているので、開口
インタークーラーのNISMOロゴ。エッチングパーツを使いステンシル塗装している
ガラスは内側からスモークグレーを塗装し、覗いても中があまり見えないようにしている。実車もそう
NISMO Z-tune専用バナナ牽引フックをプラ板で自作した
フロントバンパーのリップスポイラー部分を切り離し、V・SpecIIのキットのフロントディフューザーを移植。タミヤのカーボンデカールを貼った
ナンバープレート可倒用ステーを再現。付けているナンバープレートはタミヤのエッチングパーツ。Rの文字の部分を雰囲気を出すために赤で塗装

まず下地に黒サフ。4000番と6000番で磨いて微妙なザラザラ感を無くしてツルツルに
ブレードシルバーとスモークグレーを調合して塗装。ホコリが付いたら乾くのを待ってから神ヤス(スポンジヤスリ)の8000番、10000番で磨いて慎重にホコリを取った
塗装が終わったらクリアーを5層ほどコート。ラプロスの4000番、6000番、8000番と番手を上げながら水研ぎをし、クリアー層のゆず肌を取ってツルツルに。その後コンパウンドなどで仕上げていく
磨き作業が終わってから窓枠の部分を黒に塗装
ホイールはZ-tuneと同じLM GT4に。ブレーキはF50 ブレンボキャリパー、ブレーキローターはDIXCEL製 355φスリットローター(前)Rrスリットローター(後)。エッチングパーツセットの中に同梱されているのでそのまま使用している
実車の車高調がTEIN製 MONO FLEXなので、特徴的な緑のスプリングへと塗り分けたものの裏から覗いてもほぼ見えない
実車のマフラーはAmuse製のR1フルチタンマフラーで、キットのZ-tune純正マフラーではタイコ部分の形状が違うため、プラパイプとパテで作り直し

GT-Rはurahana3さんにとって「特別な存在」

今回は「自分の車を製作してほしい」ということで、私の所有している日産スカイラインGT-R(R34)を製作しました。

ほぼ20年近くずっとGT-Rに乗っています。最初に購入したR33は、首都高で派手にクラッシュして一発で廃車にしてしまったりと、若気の至りとはいえかなり苦い思い出のある車なのですが…その次に再度R33を購入し、今度はある朝、駐車場に行ったらタイヤ(とホイール)がすべてコンクリートブロックに変わっていたりですとか。防犯意識は高く持たなくてはと思い知らされたこれまた苦い思い出です。

その後は結婚や出産もあり、ファミリーカーを所有する傍ら一度乗ってみたかったR32を購入。その後、R34も購入しました。R34は、20代のころには高すぎて手が出ない、でもいつかは乗ってみたいGT-Rの”象徴”のようなものだったので、購入した時には感動しましたね。結局いろいろとあって、今乗っているR34は3台目です。トータルで、GT-Rは6台所有してきたことになりますね。

生活の変化などでスポーツカーをやめるかどうかという転機は何度もあるものなのですが、結局手放してもまた買ってしまうんですよ。私にとってGT-Rとは、特別な存在であり唯一無二の車です。

今回製作したタミヤのGT-Rですが、私の車はR34 V・spec IIをZ-tune風に改造したものなので、Z-tuneのキットを使用しつつも所々V・spec IIのキットも流用し、再現したものになります。キャラクターモデルとはアプローチが全然違っていていろいろな部分で勉強になりました。

また、歴代のGT-Rを作ってみるのもいいかもしれませんね。


ホビージャパンエクストラ 2020 Winter

関連記事