玄光社は、「TOKYO TRIBE」シリーズや「隣人13号」などの作品で知られる漫画家・井上三太さんの漫画家デビュー30周年を記念した画集「SARU」を発売しました。漫画家、イラストレーターとしてだけでなく、自身が立ち上げたファッションブランドの経営者兼デザイナー、DJとしても活躍する井上氏がこれまでに手がけた仕事を、各作品の名場面や象徴的なビジュアルとともに収録しています。
海外誌で連載中の新作に加え、アイデアを記録した秘蔵のスケッチや音楽作品のアートワーク、フィギュアをはじめとしたオリジナルグッズ、LINEスタンプなど漫画以外の作品も充実。同じく漫画家で従兄弟の関係にある松本大洋さんとの対談も収録しています。全384ページにわたって展開される、井上三太の世界観を存分に楽しめる一冊です。
本記事では「隣人13号」、「もて介」、そして現在連載中の「L.A. LIFE」についての解説を抜粋して紹介します。
隣人13号(NEIGHBORHOOD THIRTEEN)
小学生時代に苛められた村崎十三がニ重人格のもうひとつの人格「13号」に支配され、過去に自分をいじめた赤井トールに復讐をしていくサイコ・サスぺンス。13号の残忍な設定、復讐の過激な描写、ひとりの人間が抱える闇と良心の根源的な葛藤が描かれる。井上三太自身がかつて経験した、同じアパートに住む異常に変質的な人間との卜ラブルが発想の元になっている。
1993年『コミックスコラ』で連載を開始して話題をよんだが、雑誌の休刊にともないやむなく中断。その後、1999年に世界初のイン夕ーネッ卜コミック連載として再開し無事完結した。さらに2005年に井上靖男監督によって映画化、小栗旬と中村獅童が二人で十三を演じた。2010年にはハリウッドでの映画化が正式にアナウンスされ、製作が待たれている。全3巻。
もて介(MOTESUKE)
幸せな結婚をしている主人公もて介の夢はギャルとエッチをしてみたい!というもの。ある日ひょんな事からもて介は女牲の心の声が読めるようになってしまう特殊技能を身につけてしまう。理想を絵に描いたようなギャル”つばちゃん”がもて介に接近してきて、彼が彼女の心を読むと…。三太が初めて挑戦したエロティックコメディー。全2巻。
L.A. LIFE
『三太のLA LIFE』 は、アメリカはカリフォルニア州、ロスアンジェルスに2017年に家族と引っ越した三太家族のアメリカでの奮闘記を描いたオールカラーコメディ漫画。LA現地の情報誌『Weekly LA LA LA』にて連載中(2020年現在)。
ビザを取得して乗り込んだ夢の国アメリカの理想と現実を赤裸々に描いている。アメリカに来て初めて知った異文化の数々をかわいい絵柄でつづっている。1巻発売中。
書籍ではこのほかにも、「ダン・ダ・バーバリアン」や「BORN 2 DIE」ほか多数収録。貴重なアイデアスケッチなども多数掲載しています。