本連載は、鮮やかな色彩と独自に作り込まれた世界観で人気のイラストレーター・藤ちょこさんがキャラクター造形や描き方を解説したメイキング・ブック『美しい幻想世界とキャラクターを描く』から、アジアンファンタジー世界を描いた作品の制作プロセスを追いながら、藤ちょこさんのクリエイティビティの秘密をご紹介しています。
第2回は、キャラクターを魅力的に描くポイントについて。
ポージングを決める
とにかく「これだっ」というポージングを見つけるまで、手を動かしてパターンを作り、見比べて検討することが大切です。
デザインを作りながらイラストの大ラフも描き出していく
棒立ちのときの見栄えやバランスだけでなく、イラストの中で見栄えの良いデザインを探るために、デザインを作ると同時にイラストの大ラフも描き出していきます。たとえば今回のキャラクターは不思議な形のスカートをはいていますが、これはスカートの布地で、ひゅるっと下の街並みへ視線を誘導するような流れを作りたかったからです。
振袖は初期デザインでは左腕に纏っていましたが、イラストの構図を考慮し右腕に変更しました。
納得がいくまで何度も検討する
ラフのポージングを決めるまでにも結構な試行錯誤がありました。剣を構えて、提灯を持っているという要素は決まっていたものの、脚の仕草や提灯の位置に迷って様々なパターンを描き出しています。特にキャラクターがメインのイラストの場合、キャラクターのポージングでほぼ構図が決まってしまうので、納得のいくものが見つかるまでいくつもの案を出し、何度も見比べて検討しました。
ポーズ案 A | ポーズ案 B |
ポーズ案 C | ポーズ案 D |
キャラクターデザインを仮決定する
はじめに描いたデザイン案、およびイラストの大ラフを参照しながら、キャラクターデザインを仮決定します。
キャラクターデザインを魅力的にするポイント
魅力的なキャラクターデザインには、健全でありながらそこはかとないエロスのような、フェティシズムを感じられるポイントを作ることも必要です。胸やお尻がフェチポイントとしては一般的ですが、たとえばお腹や、指先や、ひざ裏など、自分が情熱を傾けられる部位ならどこでもいいです。
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