イラストにおいて人物の動きを表現するには、まず人体構造の理解が必要です。「動きのあるポーズの描き方」シリーズでは、キャラクターに設定された年齢や体型ごとの特徴、表情、ポーズを描く上でのポイントを詳細に解説。今回紹介する「セクシーキャラクター編」では、主に女性キャラクターの「色気」を表現するための基本を解説しています。
著者のkyachiさんは本書の中で、セクシーな絵とは「生々しさを感じさせる絵」であると説明しており、胸やお尻などのわかりやすい部分だけでなく、関節や筋肉がつくる出っ張りや凹み、服の食い込み、表情など様々な要素を組み合わせた結果として「セクシー」な表現が生まれるといいます。
本記事ではチャプター1「コントラポストと体の基本構造」より、人物がポーズをとる際の重心について解説した項目を紹介します。
コントラポストとは
コントラポスト(contrapposto)とは、片足に重心をかけた、アシンメトリーな立ち姿を表す芸術用語です。重心が片側に寄ると、両肩の傾きと腰の傾きが相反して変化します。このコントラポストを用いることで、体の曲線を強調したセクシーなポーズが自然と描けるようになります。
- 肩を下げたほうの腰は上がり、肩を上げたほうの腰は下がるというように、両肩の傾きと腰の傾きは必ず相反する向きになる。
- 肩と腰の傾きが相反することにより、背骨のラインはS字の曲線を描く。
- 上がっている腰に手を添えるとポーズが安定する。
- 腰を上げたほうの膝は上がり、腰を下げたほうの膝は下がるというように、腰の傾きと両膝を結んだラインの傾きは平行になる。
- 重心は頭からへそを通った真下に位置する。つまり、へそに近いほうの足に重心がかかっているということになり、軸足となる。
振り返った時
体をひねりながら振り返っているので、背骨のS字曲線が強調される。
座った時
座った時は、肩と腰の傾きを大きくし、背骨の曲線を強調するとセクシーに見える。
腕を組んだ時
肩と腰が相反する傾きになるようにする。腕を組むなどのさりげないポーズの時もコントラポストを取り入れるとセクシーになる。
<玄光社の本>