ミヤタチカのお絵描き動物園
ゆるく楽しい描き方レッスン 第1回

お絵描き動物園へようこそ!

『ミヤタチカのお絵描き動物園-ゆるく楽しい描き方レッスン』は、ゆるくて味わい深い絵が人気のイラストレーター・ミヤタチカさんによる動物園スケッチを元に、かき順やポイントを考えて、動物をかくコツをまとめた一冊です。

ミヤタさんは「はじめに」のページで、読者に向けて次のようにメッセージしています。


絵がうまいとかヘタとかよく耳にしますが、絵にはこれが正解!というものはありません。動物たち自身もそれぞれ個性的で、みんな色や形が違っています。だから、線がゆがんでいたり、目と鼻と口がズレたりしても気にしない気にしない。「ま、いいや」の心で。

わたしはほとんど毎日絵をかいて過ごしています。普段は無意識にかいているのですが、今回は動物園スケッチを元にかき順を考えて、動物をかくコツをまとめました。それを見ながら、楽しくかいてみてください。手順を追っていくだけで、あっという間にどんどん動物がかけちゃいます。

絵が苦手だと思っているお母さんやお父さんがお子さんと一緒に絵をかくときに参考にしたり、友だち同士で好きな動物をかき合ったりして、お絵描きのおともに使ってもらえればうれしいです。

さあ、お絵描き動物園へようこそ!

この連載ではミヤタチカさんといっしょに「お絵描き動物園」をめぐり、代表的な動物たちを楽しく描いていきますが、第1回の本記事では、持っているとより楽しく描けるアイテムや動物を描く基本ワザを紹介します。

>この連載の他の記事はこちら

ミヤタチカのお絵描き動物園

 

寝ているカピバラを描いてみよう!

特徴さえ捉えれば、カピバラを描くのはこんなにカンタン。

形をとる 優しく塗る
POINT!
色鉛筆を倒し気味にすると塗りやすい
目、鼻、口をかく 強めの線で毛並みをプラス
POINT!
先を尖らせて力を入れてかく

 

完成!

 

この記事の中で使用している画材

ミヤタチカさん愛用の色鉛筆やマーカーです。参考にしてください。

ターレンス ヴァンゴッホ 色鉛筆
滑らかなかき心地で、色が混じり合っても濁らずに発色が鮮やか。芯は柔らかめなので、小刀やカッターで削るのがオススメ。
ファーバーカステル ポリクロモス 色鉛筆
黒の発色がよく、塗り重ねにも向いているため、目や鼻をかくときは先を尖らせて使っている。
無印良品 色鉛筆
簡易鉛筆削りでも芯が折れにくいので、屋外でのスケッチに最適。これなら動物園に持っていっても安心。
ステッドラー エルゴソフト ジャンボ 色鉛筆
芯が太くて柔らかいので、広い面を塗るときに最適。ボディが太いので、小さな子どもでもしっかり握ることができる。
ホルベイン 色鉛筆
色のバリエーションが豊富で、選ぶ楽しさが味わえる。ほどよい硬さでかき心地抜群。軽い力でしっかり濃い色を出せるのが嬉しい。
マービー ルプルームピグメント ペイントマーカー
直液式で不透明インクの細字マーカー。色を塗った上に白い模様をかき足したいときに、ホワイトはぴったり。線画の修正にも使える。
ステッドラー エルゴソフト 色鉛筆
芯が折れにくい加工がほどこされいて、先を尖らせて細かい部分をかくのにぴったり。三角形状なので転がらず、手にもよくフィットする。
リキテックスマーカースリム
顔料で乾きが早く、重ねがきがどんどん楽しめる!これも白い模様に使用。マービーより太め。

 

あると便利なもの

ナイフ
芯の太さを自在に調整できる優れもの。1 つ持ってると便利。わたしはクジラ型ナイフを愛用。
簡易鉛筆削り
丸くなった芯も、これを使えば新品のように。持ち運びに便利で細部をかき込むときにすぐ削れる。MILAN を愛用。

 

基本のかき方

本書に出てくる動物のほとんどは、これらのかき方・塗り方でかんたんにマスターできます。

グルグル
毛並みにボリュームのある動物に使えるのはグルグル線。色鉛筆をグルグル回して全体を塗るように。
なみなみ
とりの仲間が持つ、柔らかな羽毛を表現するのに最適。羽のフォルムをかくときや滑らかな体を塗るときにぴったり。
面で塗る
毛が短めの動物の体は面で塗って。重ね塗りするときは、柔らかく薄く塗るようにすると上手くいく。
ギザギザ
少し毛がゴワゴワしていそうな動物をかくときは、このギザギザ線。ほほの毛をかくときや体を自由に塗りたいときに。
てんてん
動物のフワフワしている白い毛や茶色い毛を表現したいときはこのてんてんで。体の模様をかくときにも使える。
しましま 水玉
柄は濃いめの色で上から重ねて塗っていく。薄い色の場合は強めの筆圧で。

 

 Let’s try!

では「基本のかき方」をおさらいしながら、実際にお絵描き動物園の人気者たちのいくつかを描いてみましょう。

アルパカ



アルパカの毛並みをイメージして、色鉛筆をグルグル。


ヒグマ



ヒグマの毛並みをイメージして、ギザギザに塗って。


リス



毛がふさふさしているおなかやしっぽはてんてんで。


ダチョウ



羽をイメージして、なみなみを豪快に!

首は面でしっかりめに塗る。

体はギザギザでランダムに塗って。


チーター



面で塗る+柄で動物の模様が完成。面で塗った上から柄を重ねて。


しっぽはどうかくの?

動物のしっぽは面で塗る+柄。個性が出るところなのでよく見てかこう。

 


さて連載第2回からは、いよいよミヤタチカさんといっしょに、色鉛筆やマーカーを手に「お絵描き動物園」をめぐります。お楽しみに。

 

 


<玄光社の本>

ミヤタチカのお絵描き動物園

著者プロフィール

ミヤタチカ

イラストレーター。1980年佐賀県生まれ。福岡大学人文学部文化学科卒業。安西水丸塾、MJでイラストレーションを学ぶ。雑誌や書籍、広告、NYでの壁画制作、アパレルブランドや波佐見焼とのコラボレーション、ワークショップなど、幅広く活動。2008年TIS公募入選、2012年東京装画賞入選、2015年HB FILEコンペ 藤枝リュウジ特別賞受賞。2013年『お絵かき辞典』(誠文堂新光社)を刊行。
https://www.instagram.com/miyatachika/

関連記事