獣人・擬人化 人外デザインのコツ
第6回

鳥をモチーフに伝説の生き物「天狗」をデザインする

創作において物語を動かし、表現するキャラクターには、しばしば世界観や物語を象徴するデザインが適用されます。そこには本人の性格や服装、持ち物だけでなく、時にはキャラクター自身の「種族」も含まれており、動物などをモチーフにしたキャラクター造形も珍しいものではありません。

獣人・擬人化 人外デザインのコツ」では、動物をベースとしたキャラクター造形の方法論とともに、キャラクターの作例を解説。擬人化の際に重要な特徴の捉え方やデフォルメの度合い、動き表現の「人らしさ」「動物らしさ」の出し方など、実際に物語の中でキャラクターを動かす上で把握しておくべきポイントを詳しく知ることができます。

著者は漫画作品「人馬」やゲーム「モンスターハンター」シリーズの3Dモデリング、キャラクターデザインなどに携わっている墨佳遼さん。

本記事では第三章「鳥類・爬虫類の擬人化」より、鳥類をモチーフとしたキャラクターの一例として「天狗」のデザイン例を紹介します。

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獣人・擬人化 人外デザインのコツ

鳥をキャラクター化する(人外/人寄りの表現)

鳥をモチーフにしたキャラクターの具体例です。民話にも登場する伝説上の生き物「天狗」を、自分なりにアレンジした際の過程を解説します。

メインキャラクターを考える

「艶座の狐」というオリジナル作品に登場する、天狗一族のリーダー。リーダーなので、王道の「オオワシ」の翼と美しい造形の顔にしました。野蛮な者も多い一族を取りまとめる存在として野性的な力強さが欲しかったので、眼帯で厳つさをプラスしています。

このキャラクターでは、まず着物や山伏の装束のスケッチから行いました。スケッチの際、必要なものの名称はその都度調べるようにすると創作が格段にスムーズになります。名称を覚えることが目的ではなく、自分の中に索引できる資料を蓄積させることが重要で、描く時の参考になる「キーワード」として使えるようにするわけです。

着物の裾のたわみやシワのスケッチ。

文化レベルを考える

脚をクロスさせて飛ぶならば「引っかかりのあるわらじ」を履くなど、彼らが着ているものや身につけるアイテムを生体力学方面からアレンジして「文化を表す」ことを考えます。コツは、それを身につけて動いている姿を同時にイメージすること。二次元の存在でも「現実にいそうな」存在感をより強く与えられます。

鈴懸(すずかけ)の下から翼を出す。

飛ぶ際は脚をクロスさせてバランスを取る。

 


獣人・擬人化 人外デザインのコツ

 

 

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