「光の魔術師イルコのポートレート撮影スペシャルテクニック」は、タイトルの通り、人物撮影時におけるラインティングテクニックを指南する主旨の書籍です。本書ではストロボライティングの基本と、後幕シンクロやマルチ発光などの応用技術をカバーしていますが、このほかにもストロボの基本を学ぶ前段階として、自然光を活用した撮り方も解説しているのが特徴となっています。
本記事では、チャプター1「撮影を始める前に知っておきたい基本」より、「機材の選び方」のページをご紹介します。
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知識さえあれば何でも撮れる!
機材がなければ写真は撮れないけど、必ずしも最新のフルサイズ一眼レフカメラがなければいい写真が撮れないというわけではありません。スマートフォンでもAPS-C機でも、見た人が驚くような写真が撮れます。では、作品になるようなスゴイ写真を撮るには何が必要なのか。ここでは基本となる考え方と機材の選び方について考えていきます。
自分のアタマと光を見る目があれば、安定した写真が撮れる
「イルコさんみたいな写真撮りたいですけど、いいカメラないからな~」って言う人が多いんだけど、一眼レフカメラがなくても、この本で紹介しているような写真は撮れます。カメラはもちろん必要だし、レンズがなくちゃ撮れないけど、機材のスペックはそんなに優先順位は高くない。じゃあ、何が大事っていえば、「自分のアタマの中」。どんなイメージで撮るか、どんな露出で撮るか、光をどう使うか。それが写真の8割を決めます。
また、ボディもレンズもアクセサリーも、そしてライティングも、最初はいろいろ使わずに、1つだけで何ヵ月かやってみたほうがいいと思います。クリエイティブに考えながらやってみると、1つの機材がいかにたくさんのバリエーションを出してくれるかがわかります。それぞれ限界まで使ってから、次の機材を購入してます。とにかく、いらない機材は買わないようにしています!
※★の数は重要度を表しています!
NO.1 アタマの中にある引き出し(★★★★★)
NO.2 光の選び方と使い方(★★★★★)
写真は光がなければ撮れないので、光の選び方はすごく大事。普段からどんな方向から光がきているのか、どんな質の光なのか、分析するクセをつけるといいと思います。どんな風に撮りたいかによって、選ぶ光の種類も、使い方も変わってきます。自然光だけで撮るか、ストロボと組み合わせるか、アクセサリーは何を使うか。光は方向と質で選びます。
NO.3 レンズ選びと焦点距離(★★★)
3番めに大事なのは、どのレンズを使うか。大きく分けて、「被写体をメインで撮りたいか」「風景の中の被写体を撮りたいか」の2つがあります。私は被写体メインで撮るときは、ほぼ135mmしか使わない。かっこいい風景の中に被写体を入れ込むなら、12mmか24mm。だいたいこの3本の単焦点レンズしか使わないから、選択肢が少なくて迷わない!
NO.4 最後にカメラ本体(★★)
そして、最後に重要なのがカメラ本体。一番大事だと思われがちだけど、他の3つが正しく選択できていれば、どんなカメラでもいい写真が撮れます。私がカメラ選びで重視しているのは、「丈夫であること」「RAW現像の幅が広いこと」の2つ。過酷な状況でも使えて、現像でいろいろアレンジできるカメラを選びます。
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