「考えるような被写体はいらない。絵になる絶景もいらない。決定的瞬間もいらない。何か気になるのがアート写真。ありふれた町風景もアート写真」写真家の丹野清志氏は、著書「町撮りアート写真ブック」で、町で見つけたものを、思いつくままに写真を撮って楽しむことを勧めています。本連載では、丹野氏が日常の周辺にあるものをキーワードとして撮った“アート写真”をご紹介します。今回のキーワードは、「窓」です。
キーワード「窓」
家の様子を撮ったり、扉を撮ったり、そして窓を撮ったり、歩きながら人様の家にカメラを向けているのだから、町撮りスナップはちょいと間違えるとアヤシイことにもなりかねない。しかしまあ、アート写真の素材として眺めさせていただいているのでお許し願うとして、これまでいろんな建物の窓を撮ってきたが飽きることがない。ふらり入った喫茶店や食堂でよく窓からの眺めを撮る。窓は外からも内からもカメラの窓に合う被写体だ。
<玄光社の本>