私たちがスマートフォンで写真を撮るのはもはや日常です。でも、フィルムカメラで撮ったアナログ感のある写真も素敵ですよね。扱いが難しい印象のあるフィルムカメラですが、いくつかのことに気をつけておけば、実はそれほど難しくありません。
「フィルムカメラ・スタートブック」は、フィルムカメラをはじめたい人のために、実際にフィルムカメラで作品制作を続けている写真家 大村祐里子さんがフィルムカメラについてわかりやすく解説する書籍です。
フィルムカメラを扱う上での注意点から、取り上げた機種ごとの特徴や使い方、いま手に入るフィルムなど、本格的にフィルムカメラを使っていく上で必要な情報を網羅しており、「実際にフィルムカメラを使っている人が、どんなところに魅力を感じているのかを知りたい」「フィルムカメラの使い方を勉強したい」といったニーズに応える内容となっています。
本記事では、「フィルムカメラの種類別撮影ステップ」より、大きく分けて3種類あるフィルムカメラの撮影準備手順を紹介します。
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フィルムカメラの種類別撮影ステップ
フィルムを詰めたらあとはカメラ任せでシャッターを押すだけの「フルオートタイプ」、ピント合わせは自分で行う「露出計内蔵タイプ」、すべてを自分でコントロールする「フルマニュアルタイプ」の3つがフィルムカメラの主な種類です。それぞれのタイプごとにシャッターボタンを押す前から撮り終えたあとまでのステップを簡単にまとめました。QRコードを読み込んでいただくとこの各ステップをムービーで見ることができます。
フルオートタイプ(Canon AUTOBOY AF35Mの場合)
フィルムを入れる
フルオートのカメラは、撮影時の設定はすべてカメラ側で行ってくれるので、とても手軽にフィルムカメラを始めることができます。フィルムを入れ、裏ぶたを閉じれば、シャッターを切るたびにフィルムを巻き上げてくれ、巻き戻しも自動です。コンパクトから一眼レフまでさまざまなタイプがあります。
ピント合わせ・露出合わせ
ピントも露出もカメラ任せ!
フィルム巻き戻し
フルオートタイプカメラの一例
- Canon AUTOBOY AF35M
- Canon EOS 7
- PENTAX 645NII
露出系内蔵タイプ(CONTAX Ariaの場合)
フィルムを入れる
このタイプのカメラは、巻き上げ、巻き戻しが自動のタイプ、自身で行うタイプがあります。露出計が内蔵されていても、絞りとシャッタースピードは自身で設定するか、絞り優先やシャッタースピード優先などAEと呼ばれる機能を持つカメラもあり、さまざまです。購入する際に確認しましょう。
ピント合わせ・露出合わせ
ピントは自分で合わせる。露出は2種類。
1. AE機能付き
絞りを決めるとシャッタースピードは自動で設定される。またはその逆もある。
2. 露出計内蔵
カメラの露出計を見て、絞りとシャッタースピードを手動で設定する。
フィルム巻き戻し
1. 自動でフィルムが巻き戻る
2. 手動レバーでフィルムを巻き戻す
露出系内蔵タイプカメラの一例
- OLYMPUS XA
- YASHICA ELECTRO 35MC
- Nikon New FM2
- LEICA R5
- CONTAX Aria
フルマニュアルタイプ(Rolleiflex 2.8Fの場合)
フィルムを入れる
フルマニュアルカメラは、フィルムの装填、巻き上げから巻き戻しまですべてを自身で行います。撮影後、次のコマへ進めるためにしっかりフィルムを巻き上げましょう。露出計が内蔵されていない場合、露出を測るには単体露出計が必要になります。ぜひひとつ持っておきましょう。
ピント合わせ・露出合わせ
ピントは自分で合わせる。露出は2種類。
1. 露出計付き
カメラの露出を見て、絞りとシャッタースピードを手動で設定する。
2. 露出計なし
単体露出計で露出を測る。絞りとシャッタースピードを手動で設定する。
フィルム巻き戻し
フルマニュアルタイプカメラの一例
- Rolleiflex 2.8F
- Zenza BRONICA S2
- MAMIYA C330 Professional