「EOS R」「EOS RP」は、キヤノン最初のフルサイズミラーレスラインナップを支える2機種です。新たにRFマウントを採用し、対応するレンズはまだまだ少ないながらも、RFシステムが生み出す写真、その画質はユーザーから評価を得ています。
「フォトグラファーが教えるCanon EOS R & RP撮影スタイルBOOK」では、キヤノンRFシステムの操作や設定の解説とともに、フォトグラファー自身の手による交換レンズの作例とレビューを掲載。これからRFシステムを使いこなすにあたって、指針となる情報が得られる一冊となっています。
本記事では、Chapter3「RFマウントで撮影する」より、標準ズームレンズ「RF24-105mm F4 L IS USM」および「RF28-70mm F2 L USM」についての解説を抜粋して紹介します。
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RF24-105mm F4 L IS USM:新設計により生まれたキヤノンの「新標準」
RFマウントの特徴は54mmの大型マウントとショートバックフォーカス。これにより光学設計の自由度が広がり、今までにない、高画質で明るいレンズの開発が可能になった。その恩恵を存分に受けて誕生したRFレンズの「新標準」がこのレンズだ。
広角24mmから中望遠105mmまでをカバーし、ズーム全域で絞り開放から、画面の四隅までカチッと描写できる。そのハイスペックにも関わらず、全長は107.3mm、重量は約700gの小型・軽量を実現した。また、デュアルセンシングISを搭載し、ボディ側と合わせて最大5段分の手ブレ補正機能を発揮する。
- レンズ構成:14群18枚(非球面レンズ3枚、UDレンズ1枚、フッ素コーティングあり)
- 焦点距離:24-105mm
- 画角:84°~23°20’
- 開放絞り:F4
- 最小絞り:F22
- 絞り羽根:9枚
- 最短撮影距離:0.45m
- 最大撮影倍率:0.24倍
- フィルター径:77mm
- 外形寸法(最大径×長さ):83.5mm×107.3mm
- 質量:約700g
- 価格:155,000円(ケース・フード付き、税別)
デュアルセンシングISと5段手ブレ補正
2019年8月末現在、ISが搭載されているRFレンズは、RF24-105mm F4L IS USMとRF35mm F1.8 MACRO IS STM、RF 24-240mm F4-6.3 IS USMの3種類だ。EOS RではIS搭載のレンズとの組み合わせにより、最大5段分の手ブレ補正を達成した。
レンズ側のジャイロセンサーに加えて、イメージセンサーの画像情報からもブレ幅を検出し、2つの情報を比較解析することでより高度な手ブレ補正を実現させたのだ。
細部まで明快な描写
水に濡れた質感を表現
RF28-70mm F2 L USM:ズーム全域で単焦点のような高画質を実現
マウントが大きくなった恩恵を最大限に活かして設計された超大口径ズームレンズ。スーパーUDレンズや非球面レンズを惜しみなく使い、ズーム全域でF2という明るさを達成しながら、画面の中心部から周辺部までの高解像度・高コントラストを実現した。
また、SWCとASCの2つのコーティングにより、逆光時のフレアやゴーストを大幅に抑えている。高価なレンズではあるが、28mm、35mm、50mm、70mmの明るい単焦点レンズ4本分が1本にまとまったと考えると、むしろコストパフォーマンスがよいことがわかる。
- レンズ構成:13群19枚(研削非球面レンズ2枚、非球面レンズ2枚、スーパーUDレンズ2枚、UDレンズ2枚、フッ素コーティングあり)
- 焦点距離:28-70mm
- 画角:75°~34°
- 開放絞り:F2
- 最小絞り:F22
- 絞り羽根:9枚
- 最短撮影距離:0.39m
- 最大撮影倍率:0.18倍
- フィルター径:95mm
- 外形寸法(最大径×長さ):103.8mm×139.8mm
- 質量:約1,430g
- 価格:420,000円(ケース・フード付き、税別)
単焦点レンズ4本分の役割がこれ1本で
画面全体をキリリと描写
大口径ならではの自然なボケ味