アニメーションのエフェクト作画テクニック
第8回

強くデフォルメされた「派手な爆発」の描き方

アニメーション作品において、ある事象や現象の「動き」を表現するにあたっては、主体となる登場人物や物体を動かすほかに、動きに伴って環境に変化が起きたことを示す「エフェクト」の描写が必要です。

作品世界で起きた現象を表現するのにきわめて重要な要素でありながら、それ単体では注目されにくい「エフェクト」。アニメーターは現実に起こりうる現象から、物理法則を無視した表現にいたるまで、あらゆるシーンで説得力のある視覚効果を描く必要があります。

アニメーションのエフェクト作画テクニック」では、「弱虫ペダル GLORY LINE」や「楽園追放 -Expelled From Paradise-」などの作品でエフェクト作画監督をつとめたアニメーターの小澤和則さんが、様々なエフェクトの作画技術を伝えています。「炎」「水」「風」「光」「爆発」などのエフェクトについて動感を出すコツを解説しながら、「炎+煙」など、複数のエフェクトを組み合わせて見せる表現方法にも言及しており、アニメ作画の幅を拡げる実践的な内容です。

本記事では、Chapter5「爆発」より、アニメならではの「派手な爆発」の表現に関する記述を抜粋して紹介します。

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派手な爆発

リアル系の作品では使わないので、作品を選ぶ爆発です。70~80年代ロボットアニメによく使われていた表現で、最近では派手でコミカルな作品で多用しています。シルエット重視の爆発で丸いT光(専門用語については第1回を参照)をぐるぐると回していくイメージです。シルエットに関しては感覚になるのですが、派手に丸く広がっていくように描くのがポイントです。

爆発のシルエットはできるだけ派手にしたほうがインパクトを与えられます。線を描く時は雷のように直線と曲線をうまく組み合わせるとよりデフォルメされた感じが強まります。


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