交換レンズを選ぶ際に重視するスペックは、焦点距離や絞り、最短撮影距離や手ブレ補正の有無、重量など、用途によって人それぞれです。しかし多くの人にとって最も気になるポイントは「実際に撮影した時にどう写るか」ではないでしょうか。誰しも買い物で失敗はしたくないもの。それゆえに「製品レビュー」は常に必要とされ、読まれるのです。
家電量販店のヨドバシカメラが運営している「フォトヨドバシ」は、カメラボディやレンズを実際に使用し、作例とレビューを掲載しているWebサイト。「ニコンFマウントレンズ 完全レビューブック」は、その中からニコンFマウント用レンズ174本のレビューを抽出し、書籍としてまとめたものです。
本記事では掲載レンズのうち、「ZEISS Distagon T* 2/25」のレビューを抜粋して紹介します。
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伸びやかな写りをシンプルに楽しむ
この25mm という焦点距離からして実にツァイス。単焦点で潔く、ディスタゴンの伸びやかな写りをシンプルに楽しむのが楽しい1本だと思います。
日中の撮り歩きならある程度絞ってパンフォーカスにし、あとは画面に集中するのみ。ピント位置を決めてしまえばこれ以上スピーディなスナップシューターはありません。レンズ開放で撮影すると絞った時との描写の違いはなかなかに顕著で、歪みや周辺光量の低下がはっきり表れます。しかしこれがまたドラマティックな写りを提供してくれるものですから、レンズというのは面白いもの。気になる方は補正をすれば良いのですが、周辺光量の落ちた広角の画というのは独特の凄みがあり、これもまた本レンズの個性であり魅力だと思います。
元々パースを強調した視点が面白い焦点域ですから、ひとつこの個性をうまく活かした1枚にチャレンジしてみたいものですね。(Serow)