交換レンズを選ぶ際に重視するスペックは、焦点距離や絞り、最短撮影距離や手ブレ補正の有無、重量など、用途によって人それぞれです。しかし多くの人にとって最も気になるポイントは「実際に撮影した時にどう写るか」ではないでしょうか。誰しも買い物で失敗はしたくないもの。それゆえに「製品レビュー」は常に必要とされ、読まれるのです。
家電量販店のヨドバシカメラが運営している「フォトヨドバシ」は、カメラボディやレンズを実際に使用し、作例とレビューを掲載しているWebサイト。「ニコンFマウントレンズ 完全レビューブック」は、その中からニコンFマウント用レンズ174本のレビューを抽出し、書籍としてまとめたものです。
本記事では掲載レンズのうち、「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports」のレビューを抜粋して紹介します。
「さあ撮ってやるぞ」という気にさせる
テレ端600mm。この一点だけでその価値は明らかなのですが、シグマ社は同じ焦点距離、同じ開放値で2本のレンズを作ってしまいました。携帯性を追求したコンテンポラリーラインに対して、堅牢性や光学性能に妥協しないというコンセプトで生まれたのがこのスポーツラインの150-600mm。「実現したいことをすべて盛り込むことは難しいから、いっそ分けてしまおう」という発想がシグマらしい。
しっかりとした鏡胴を持つ防塵・防滴設計、かつ性能に妥協しないということもあって、レンズの重さも大きさもなかなかのもの。従来、テレコンバーターなどでしか得られなかった600mmという焦点距離は、使ってみればやはり新しい世界。「さあ撮ってやるぞ」という気にさせる意匠で、グレードの高い超望遠ズームレンズを求める人には筆頭の選択肢になるはずです。(Serow)