「ビデオSALON.web」からの転載記事です。
藤井大輔
埼玉県生まれ。石油会社勤務27歳の時、映像の世界を目指し退職。映画美学校で演出やシナリオを学ぶ傍ら、自主制作の現場を経験。ブライダル制作会社を経て、フリーランスとなる。近年はフジロックフェスティバルのオフィシャル映像チーム・ディレクターを務める他、ライブステージやMV、企業PV等を手がける。
文:松岡佳枝/写真提供:藤井大輔
一度は就職しつつも 映像制作への夢に賭けた
音楽系の映像制作を中心に企業PVなども手がける藤井大輔さん。現在はフジロックフェスティバルのオフィシャル映像チームのディレクターを務めている。
「子どものころから映画が好きでした。80年代のハリウッド映画、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ターミネーター』などから入り、家族や親戚の影響で古い西部劇などもよく観ましたね」
その後、理系の学校へ通っていたこともあり、石油系会社のエンジニアとして就職する。
「エンジニアとして働いている間も、映画は好きでよく観ていました。映像の経験も仕事ではなく遊び、趣味程度でしたが、27歳のときに会社を辞めてパナソニックDVX100を購入し、映画美学校に入りました。その後、ブライダル系の制作会社に就職したんです。当時はウェディングも記録だけでなく、イメージ的なかっこいい映像を撮るようになってきた時期で、映像だけでなく、接客業的な部分も含めて、さまざまなことが学べたと思います」
技術よりも大切な好きという気持ち
藤井さんの代表的な仕事であるフジロックフェスティバルの映像制作について伺った。
「Fujirockers.orgという公式ファンサイトがあって、最初はスチールのカメラマンとして入りました。でも映像も撮りたくて。お金よりも実績を積みたいという気持ちが大きかったのですが、5人からスタートしたチームも今では倍の10人前後となり、3年前にダイジェストムービーを制作して以降オフィシャルのチームとして映像を作っています」
チームでの映像制作を行うビデオグラファーも増えているが、その魅力について聞いてみた。
「チームというのは仲間同士の掛け算で自分だけではできない結果が生まれることもあるので、とても面白いですね。それに撮影の技術というよりもフェスやアーティストに対する好きという気持ち、愛情が深いほどいい映像ができます。天候不順もありますし、そこまでやらなくても…というような状況でも、好きという気持ちが“これを撮りたい”と人を動かし、結果としてミラクルが起きるんです」
最近お気に入りの撮影機材リスト
▲撮影機材。ライブ撮影など暗い場所での撮影も多いため、メイン機はα7S Ⅱ。サブ機のα6500はジンバルと組み合わせて使う事が多いという。
▲急な雨の多いフジロックの撮影で重宝しているのが、シンクタンクフォトのレインカバー。
▲企業PVなどのインタビューで使うLEDライト。
▲Video Assistは長時間録画する際に使用する。現場でクライアントに映像を見せるためのモニターも。
▲音はガンマイク、ステレオマイク搭載のレコーダー、ワイヤレスマイクを使い分ける。
▲三脚とスライダー。
▲Mac Proを導入して10chのマルチ編集などでもネイティブファイルで、サクサク編集できるようになった。波形モニターや音声ミキサーは縦置きのディスプレイ表示。
▲ストレージ。RAID0の12TBの外付けHDD(G-technology G-RAID Studio)。現場でのバックアップ用はウェスタンデジタルMy Passport Proを使用。
機材リスト
撮影現場の風景
▲フジロックオフィシャル映像チームのみなさん。
▲ライブ中に盛り上がる観客を撮影。
▲フジロックのROOKIE A GO-GOのステージ撮影の様子。
藤井大輔さんの作品
【FUJI ROCK FESTIVAL’18 Aftermovie】
「自然と音楽の共生」をテーマに毎年開催される野外音楽フェス・フジロックフェスティバル。藤井さんは2015年からオフィシャル映像チームのディレクターとして参加。
【YouTube Music Sessions at FUJI ROCK FESTIVAL’18 “ROOKIE A GO-GO”】
新進気鋭バンドの登竜門となっているフジロックのステージROOKIE A GO-GO。今年のフジロックではそのライブ撮影も手がけた。各バンドの動画はプレイリストで見られる。
転載元:ビデオSALON.web
https://videosalon.jp/serialization/videographers-file/fujiidaissuke/