川崎市市民ミュージアムは、2019年2月16日(土)~2月24日(日)の土日4日間に、ソヴィエト映画特集を開催する。アンドレイ・タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」「ストーカー」、タルコフスキー監督に師事したコンスタンティン・ロプシャンスキー監督の「死者からの手紙」「ミュージアム・ヴィジター」の計4作品を上映する。全作品35mmフィルムでの上映となる。また、2月23日(土)には、「死者からの手紙」の上映後に、ソヴィエト映画講座を開催する。講師は、映画史・ユーラシア文化研究者の井上徹氏。チケットは当日券のみ、先着順の自由席。
「惑星ソラリス」
【上映日】
2019年2月17日(日)13:30
2019年2月24日(日)10:30
1972年/カラー/シネマスコープ/35mm/165分
監督:アンドレイ・タルコフスキー/出演:ナタリア・ボンダルチュク、ユーリー・ヤルヴェト
海に囲まれた惑星ソラリスの探査で混乱をきたしているステーションに、心理学者クリス・ケルヴィンは派遣される。彼はそこで自殺したはずの妻に出会う……。ソラリスの海は、人間の深層心理を実体化する知的生命体だったのだ。スタニスワフ・レムの小説に着想を得てタルコフスキーが独自に展開させたSF映画史に輝く金字塔。
「ストーカー」
【上映日】2019年2月16日(土)13:30/2019年2月23日(土)10:30
1979年/カラー/スタンダード/35mm/163分
監督:アンドレイ・タルコフスキー/出演:アレクサンドル・カイダノフスキー、アリーサ・フレインドリフ、アナトリー・ソロニーツィン
願いを叶える〈部屋〉があると聞いた三人の男たちが、人が入ってはならない区域〈ゾーン〉を進んで〈部屋〉を目指す。〈ゾーン〉や〈部屋〉など寓意的なモチーフを残し、原作者のストルガツキー兄弟が自ら脚本を書きおろし、映画化。本作でタルコフスキーは美術も担当し、祖国で制作した最後の作品となった。
「死者からの手紙」
【上映日】
2019年2月17日(日)10:30
2019年2月23日(土)14:00★
1986年/カラー/スタンダード/35mm/88分
監督:コンスタンティン・ロプシャンスキー/出演:ロラン・プイコフ、イオシフ・ルィクリン、ヴィクトル・ミハイロフ
世界は核戦争で壊滅し、生き延びた人間は博物館の地下シェルターでの生活を余儀なくされている。荒廃した世界を舞台に、科学技術の発展が招いた未曾有の破壊と汚染がもたらした極限状態の人間の生と信仰の在り方を問う。『ストーカー』(1979)で助監督を務めたロプシャンスキーのデビュー作。脚本にはボリス・ストルガツキーが参加している。
「ミュージアム・ヴィジター」
【上映日】
2019年2月16日(土)10:30
2019年2月24日(日)14:00
1989年/カラー/スタンダード/35mm/135分
監督:コンスタンティン・ロプシャンスキー/出演者:ヴィクトル・ミハイロフ、ヴェーラ・マヨーラヴァ、ヴァジム・ロバノフ
核戦争で破壊され、廃墟と化した地を一人の男が訪れる。彼は海底に深く沈んでしまい干潮時のみに現れ、壊滅前の文明が一部残っているという〈ミュージアム〉を求めてやってきたのだ。『死者からの手紙』に続く、ロプシャンスキー監督長編第2作。反ユートピア的世界が黒と赤の色調、電子音や轟音などのノイズと共に圧倒的な世界観で展開される。
ソヴィエト映画講座
日時:2月23日(土)「死者からの手紙」上映後
講師:井上徹(映画史・ユーラシア文化研究者、エイゼンシュテイン・シネクラブ代表)
受講料:無料