アニメやゲーム、小説や映画などに登場するキャラクターの装いを真似てなりきるコスプレは、衣装の再現性もさることながら、作中でキャラクターたちが使うアイテムまでも再現できれば、ポージングの幅も拡がり、全体の完成度をぐっと高めることができます。
「今スグつくれる! コスプレ造形」は、コスプレで使う武器や小道具、甲冑などの大型装備にいたるまで、キャラクターへのなりきり度を上げるために必要な造形について、幅広いノウハウを伝えます。造形物の作り方だけでなく「まず材料として何を用意すればいいか」、「どんな道具を使えばいいのか」といった初歩的な情報や、破損などのトラブルに対処する方法までもカバー。
「コスプレ用の小道具を作ってみたいけれど、何から用意すればいいのかわからない」「造形に手を付けてみたまでは良いものの、どうも上手く作れない」といったお悩みを解決しうる一冊となっています。
で本記事ではChapter1「武器の作り方」より、ファンタジー系のコスプレに頻出する「剣」の作り方を紹介。後編では、刀身や柄頭などの装飾や表面処理、仕上げまでの手順をお伝えします。
なお第3回以降は、第1回で紹介した「接続パーツ」と、第2回の「飾りパーツ」をそれぞれ使いますので、参考にする際は、あらかじめ過去の連載を読んでおくことをおすすめします。
手順18
マスキングテープを貼り、はばき※の型を作り、コスプレボード(3㎜)を切ってG17ボンドで貼る。
※はばき…刀身をしまう鞘内で、刀身が動かないようにする部位。
片面の型紙で2つ分にする。片面の型紙を取れれば、それを横に2回分転写して、反対側も同じ仕上がりにできる。
手順19
塩ビパイプのふちに、飾り1 を巻く。その円周に合わせて、コスプレボード(ハード5㎜)を切り出す。
手順20
斜め切りしたパーツをG17ボンドで貼りつける。塩ビパイプにフタをする。
手順21
塩ビパイプの2ヵ所に飾り1を瞬間接着剤で巻きつける。柄を作る。
手順22
つば部分に、合皮を貼るときに区切る部分(赤線)と、順番を決める。
手順23
手順22で「1」とマークした部分に、G10ボンドを2度塗る。このときに側面にも塗っておく。
手順24
茶色のボンド布を端から中心にむかって貼っていく。刀身まできたら、はさみで切り込みを入れる。
手順25
シワが出ないよう引っ張る。そうしながら、斜め切りの下部分にしっかり貼りつけていく。
手順26
塗料スプーンでふちの奥まで、ムラなく貼りつける。
手順27
つばの左右中心あたりで余分な合皮を、おおまかに切り取る。
手順28
カッターの刃をそえて、数㎜の余裕を持って合皮をつばの中央で切る。この切り方を「当て切り」と呼ぶ。
手順29
側面まで包むようにし、手順22で「2」とマークした部分も同じように貼りつけ、中心で余分な部分を当て切りする。
重ねてきれいに仕上げる。つば部分と刀身にかかる部分で、合皮のつなぎ目は、数㎜重ねる。するときれいに仕上がる。
手順30
手順22で「3」とマークした部分にボンド布を貼り、カッターの刃で中心あたりから余る合皮を当て切りする。
手順31
手順22で「4」とマークした部分も手順30と同じように貼り、上下の合皮がしっかり端までいくように合わせる。
手順32
合皮を合わせた状態で、端にそってはさみで切る。はさみを使うことで、合皮同士を圧着できる。
切るときにはさむので、圧力がかかる。
手順33
はばきにもG10ボンドを塗り、ボンド布を貼る。塗料スプーンで溝まで貼って、余分な部分を当て切りする。
刀身部分に数㎜残るぐらいに切る。
手順34
柄は、飾りをさかいに2回に分けてボンド布を貼る。引っ張りながら、飾りのメリハリが出るように貼る。
手順35
下部分も貼り終わったら、端から余った部分ははさみで切り離す。
手順36
柄頭部分も、引っ張りながら貼り、余分なところははさみで切り取る。
手順37
刀身は片面ずつエッジから外側にむかって貼りつけて、はさみで余分な部分を切りながら圧着する。
手順38
はばきと、柄の飾り以外の部分にマスキングテープを貼り、つばと飾りを塗料でムラに着色する。
完成
- かすれた塗装で、重さと年季の入った雰囲気を演出する。
- しっかりと浮き出たエッジが、剣の存在感を引き立てる。
<玄光社の本>