アニメやゲーム、小説や映画などに登場するキャラクターの装いを真似てなりきるコスプレは、衣装の再現性もさることながら、作中でキャラクターたちが使うアイテムまでも再現できれば、ポージングの幅も拡がり、全体の完成度をぐっと高めることができます。
「今スグつくれる! コスプレ造形」は、コスプレで使う武器や小道具、甲冑などの大型装備にいたるまで、キャラクターへのなりきり度を上げるために必要な造形について、幅広いノウハウを伝えます。造形物の作り方だけでなく「まず材料として何を用意すればいいか」、「どんな道具を使えばいいのか」といった初歩的な情報や、破損などのトラブルに対処する方法までもカバー。
「コスプレ用の小道具を作ってみたいけれど、何から用意すればいいのかわからない」「造形に手を付けてみたまでは良いものの、どうも上手く作れない」といったお悩みを解決しうる一冊となっています。
で本記事ではChapter1「武器の作り方」より、ファンタジー系のコスプレに頻出する「剣」の作り方を紹介。手順が多くなるため、前後編の2つに分けてお送りします。前編となる今回は、使用する材料の紹介と、刀身の製作手順をお伝えします。
なお第3回以降は、第1回で紹介した「接続パーツ」と、第2回の「飾りパーツ」をそれぞれ使いますので、参考にする際は、あらかじめ過去の連載を読んでおくことをおすすめします。
剣は西洋の武器の中でも、王道のアイテム。刀身のエッジをしっかり出し、勇者や騎士の持つような存在感のある剣にしよう。
使用する材料
合皮
コスプレボード(ハード10mm厚)
コスプレボード(10mm厚)
塩ビパイプ
塗料
園芸支柱(8mm径、100均購入OK)
以下、制作手順。
手順1
コスプレボードにまち針で型紙を固定し、マーカーで転写していく。
手順2
なるべく隙間のないよう型紙を転写したら、マーカーの内側を切り、それぞれのパーツを切り出す。刀身の中心に入れたガイド線は切り離さないよう、注意する。
手順3
中心に入れたガイド線に切り込みを入れる。コスプレボードの厚さの3分の2ほどの深さにする。
決めた深さを指で固定。カッターの刃を中指でしっかり固定して切り進めよう。均一な深さで切れる。
手順4
切り込みから半分に折り、マーカーを寝かせてガイド線を入れ、それにそって斜めに切り、溝彫りする。
手順5
溝彫りを合わせて、中心に、エッジが立つことを確認する。
手順6
左右の端を斜め切りする。左右同じ角度になるよう、ガイド線を入れてから切るとやりやすい。
手順7
貼り合わせるための、反対側の刀身パーツを手順3~6の工程で同様に、もう1つ作る。
手順8
溝彫りから半分に折り、G17ボンドを塗る。
手順9
1度乾かしてから、もう1回G17ボンドを塗り、表面がベタベタする程度に乾いたら、圧着する。
手順10
刀身の幅が変わるあたりから、瞬間接着剤で溝に園芸棒を固定させる。
手順11
2つの刀身パーツの、ふちの斜め切りをしているあたりに、G17ボンドを2度塗りする。
手順12
刀身の切っ先からふちをきれいに合わせて、圧着する。
手順13
刀身を下までくっつけたら、下の部分をカッターで切り、整える。
手順14
つばのパーツを2枚、G17ボンドで貼り合わせて、アウトラインを中心にガイド線を内側に引く。
手順15
ガイド線にそって、中心を切り抜き、内側はガイド線にそって斜め切りする。
手順16
刀身から出ている園芸棒の長い分を折り、つばの穴を通し刀身とつばをG17ボンドで接着する。
手順17
残りの園芸棒の部分は、接続パーツと同じように、塩ビパイプが差し込めるようにする。
後編に続く
<玄光社の本>