ウォーハンマーの世界
第1回

「ウォーハンマー」モデラーたちが塗り上げるミニチュアペイントの技巧

本格的な模型を駒として遊ぶミニチュアゲームとして世界的な人気を誇る「ウォーハンマー」シリーズは、駒として使える模型の造形もさることながら、組み立てた後のペイントにも魅力があります。

模型の塗装、と聞くと敷居が高そうに感じられますが、同シリーズの製作と販売を行っている英国ゲームズワークショップ社では、カラーチャートによって塗り手順や色味などを指定する「シタデルペイントシステム」を用意しており、これに対応した水性アクリル塗料「シタデルカラー」を使うことによって、誰でもペイントを楽しめる工夫が施されています。また、見本や設定にない独自のカラーリングに挑戦することが推奨されているのも特徴のひとつ。

模型雑誌「ホビージャパン」の別冊「ホビージャパンエクストラ 2018 Spring」では、ウォーハンマーシリーズを特集。ウォーハンマーの世界観から登場キャラクター、ミニチュア作例、プレイレポート、販売店ガイドなども収録し、日本におけるウォーハンマーの現在を俯瞰する内容となっています。

本記事では、モデラーたちがシタデルカラーを使ってペイントしたミニチュア作例のうち、せなすけ氏が製作した「LORD OF CHANGE」の作例を紹介します。

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ティーンチのグレーターディーモン「LORD OF CHANGE」

ロード・オヴ・チェンジ 約18cm プラキット 16100円、発売中 発売元/ゲームズワークショップ

ダイナミックレイヤリングで輝く“青”

シタデルペイントシステムに捕らわれず、彼女自身のセンスでペイントに突き進む、せなすけ氏の作品。造形的にも美しい「ロード・オヴ・チェンジ」のミニチュアが一気に花開いています。せなすけ氏曰く「すべてをきっちり塗り分け、ハッキリ一つ一つのパーツが同じ世界観の中で、まるで1枚の絵のように見えるように気を付けています」とのこと。

見せ場である翼は1枚1枚をくっきりと書き込み、青〜緑へ急激な変化をつけて、互いの色の強調・共存を狙っており、暗い部分は一層暗く、明るいところには黄色味さえ感じるほどに過度にメリハリをつけて、敢えて「自然ではない」華やかな表現に挑戦した作品に仕上がっています。また金属色を一切使わずに金属を表現するNMM(ノンメタリックメタル)技法にも注目してください。

金属色を一切使わずに金属を表現するNMM(ノンメタリックメタル)技法で輝く装飾。金属色は自然の光を利用して見せるカラーのため、今回の表現の中心である「青」の強い眩しさとバランスが取れなくなる可能性があるため、全体の明るさを落とさずにペイント。金属部分も共存して互いを眩しく見せている。他の部分と同じく、大げさに明暗を表現することで目を引く強い印象を狙っている。

割れた石畳により、ロード・オヴ・チェンジの力強さが演出されている

翼は1枚1枚くっきりと描き込み、青〜緑へ急激な変化をつけている。ダイナミックではあるがお互いの色が強調され非常に美しい。カントール・ブルー→ドラケンホフ・ナイトシェイド→もう一度カントール・ブルー→カレドール・スカイ、ワープストーン・グロウ、サイバライト・グリーン、フラッシュギッツ・イエローをブレンディングしながら塗装。

ポイントとなる青は、カントール・ブルー⇒ドラケンホフ・ナイトシェイド→もう一度カントール・ブルー→カレドール・スカイ、ローザン・ブルー、セラマイト・ホワイトをブレンディングしながら使用。


 

ホビージャパンエクストラ 2018 Spring

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