土田ヒロミ写真展「Wall to Wall -Jerusalem エルサレム」開催

2024年10月7日(月)〜11月2日(土)GALLERY FOREST

© Hiromi Tsuchida

東京綜合写真専門学校は、2024年10月7日(月)から11月2日(土)まで、GALLERY FORESTにて、土田ヒロミ写真展「Wall to Wall -Jerusalem エルサレム」を開催する。

土田ヒロミが撮影対象として取材を長期間継続し、現代の大状況を考えようとしてきヒロシマ、ベルリン、エルサレム。今回は2005年からエルサレム周辺で撮り進めてきた風景を展示する。本シリーズでは、時間の経過による壁の増設を可視化する定点観測の手法も取り入られており、展覧会として一連の作品を発表するのは今回が初めてとなる。

期間中10月26日(土)には写真家・著述家の港千尋を招き、写真家としてテーマの取り組み方を主題にしたシンポジウムを開催する予定。

[土田ヒロミからのメッセージ]

私は、1975年から「ヒロシマ」を、1983年から「ベルリン」、そして2005年から「エルサレム」を撮影対象として取材をしてきました。この三都市は、第二次世界大戦に起因する悲劇都市と言えます。それらのドキュメントを継続することで、現代の大状況を考えようとしてきました。今回は、2005年からエルサレム周辺で撮り進めてきた風景を展示いたします。
私がこの「エルサレム」の作業を通して目指したのは、巨大な分離壁という反社会的な建造物を、なぜこれほどまでに大規模に建設し続けなければならない歴史状況があるのかという問題を、一人の人間として考えることでした。ヒューマニズムとか、政治イデオロギー問題とか、一側面だけを見て評論するのではなく、人間と人間の関係性において、なぜこのような物理的な「壁」が立ち現れ、今も増設され続けているのか、容易に解決しない問題だとしても、実在する壁の現実を考え続けたいと思っています。実際に、壁で閉じ込められたガザの惨事が止む気配もありません。
2016年の撮影を最後に「エルサレム」はいくつかの予定取材を残し、コロナ禍のため遅延し、その後2023年9月に渡航を予定していましたが、この度のイスラエルによるガザ侵攻などにより再び延期となっていました。今回、東京綜合写真専門学校から展覧会のお話をいただき、この度これまで撮影したカットをすべて見直し、改めて分類・整理したものをこのような形で展示できたことは私にとって非常に意義のある機会となりました。
関係者の皆さまに心から感謝いたします。

© Hiromi Tsuchida

<写真展概要>

土田ヒロミ写真展
「Wall to Wall -Jerusalem エルサレム」

会場:GALLERY FOREST
住所:神奈川県横浜市港北区箕輪町2-2-32 東京綜合写真専門学校4F
会期:2024年10⽉7日(月)〜11月2日(土)
時間:11:00~17:30(月~土のみ/日・祝日は休廊)
主催:東京綜合写真専門学校
ディレクター:鵜澤淑人
後援:東京綜合写真専門学校校友会

[関連イベント]シンポジウム
日時:2024年10月26日(土)15:00~17:00(予約不要・入場無料)
登壇者:土田ヒロミ、港千尋、伊奈英次(進行)

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