食べかけのたい焼きやカップに注がれるコーヒー、指につままれて変形した豆大福、溶けてつながったトーストのチーズ……。一見本物にしか見えない食べ物の木彫り作品をSNSやTVで見かけたことはありませんか。
木彫りアーティスト、キボリノコンノさんの作品集「キボリノコンノ作品集 キボリアル」では、朝食メニューやお菓子をモチーフとした作品の写真とその製作工程を紹介。パッと見で食べ物そのものの木彫り作品を楽しむとともに、食べ物の持つ柔らかさや瑞々しさを、木彫りという手段でどのようにして表現しているのかをも合わせて知ることができる一冊となっています。
本記事ではChapter4「KIBORINO FOODS」より、「たこ焼き」をモチーフとした木彫り作品を紹介します。
たこ焼き
メイキング
作るヒントは子どもの頃の遊びから
子どもの頃にカンナ屑を「鰹節」に見立てて遊んでいたことがあり、その頃からいつかたこ焼きにカンナ屑を乗せてみたいと思っていました。ソース部分を下の記事が透けて見えているように着色し、ニスでつやを与えることで透明感がしっかり出るようになっています。
Point of Making
1
細長い直方体の木材から、のこぎりで立方体の木片を切り出していく。
2
立方体の木片の8つの角をベルトサンダーでとる。手首を巻き込みながら滑らせることで球体に近づける。
3
鉛筆で垂れ流れるソースのアウトラインを描いたら、その線に沿ってソースがかかっていない部分を削り出す。
4
全体の表面にやすりがけをしたら、ソースのかかっていない部分の表面にミニルーターで細かな溝や凹凸、気泡の穴を彫っていく。
5
アクリル絵の具で着色する。地の生地の色と焦げ目の色を使い分けるとよりリアルに仕上がる。
6
細い木材に鉋をかけて薄い木くずを作る。適当な大きさにちぎれば鰹節に、アートナイフで細かく刻んで着色すれば青海苔になる。
7
たこ焼きを入れる容器や、たこ焼きを刺すつま楊枝も既存のものを使わず作る。