キボリノコンノ作品集 キボリアル
第6回

木彫りの「チーズトースト」パンの質感を追求したら実物と見分けがつかなくなってしまった

食べかけのたい焼きやカップに注がれるコーヒー、指につままれて変形した豆大福、溶けてつながったトーストのチーズ……。一見本物にしか見えない食べ物の木彫り作品をSNSやTVで見かけたことはありませんか。

木彫りアーティスト、キボリノコンノさんの作品集「キボリノコンノ作品集 キボリアル」では、朝食メニューやお菓子をモチーフとした作品の写真とその製作工程を紹介。パッと見で食べ物そのものの木彫り作品を楽しむとともに、食べ物の持つ柔らかさや瑞々しさを、木彫りという手段でどのようにして表現しているのかをも合わせて知ることができる一冊となっています。

本記事ではChapter3「KIBORINO BAKERY」より、「チーズトースト」をモチーフとした木彫り作品を紹介します。

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キボリノコンノ作品集 キボリアル

トースト&チーズトースト

メイキング

Front

Back

Side

硬い部分と柔かい部分、両方を表現する楽しさ

パンの質感をしっかり作りたくて、まず凸凹を作ってから気泡を彫るようにしたら、ようやく柔らかさを表現できました。1番好きなのは、裂けているところの繊維のつながり部分。細かい繊維が色々な方向にクロスするのを意識して彫り上げました。

Point of Making

1
本物のトーストを木の上に置いて下書きをした上で、余分な部分をのこぎりで切り落とす。

2
ベルトサンダーでパンの耳の丸い形を整えていく。

3
パンを裂いた部分をミニルーターで彫刻する。

4
パンの大きな裂け目はドリルで穴を開けた上でミニルーターで整える。

5
先端の細いビットを使って、パンの表面の気泡をひとつひとつ彫刻する。

6
パンの生地の部分をアクリル絵の具で着色する。

7
パンの耳はアクリル絵の具で塗った後にスポンジで叩くように色を薄めつつ、色ムラをあえて作る。

8
アクリル絵の具でパンの生地の焼き目をつけて完成。

TECHNIQUE OF kibori art

伸びたチーズの透け具合を表現するために土台作りと繊細な塗装が必須


1
木材に鉛筆でアウトラインを描く。この際ふたつに分けたパンの間で伸びるチーズの分も考えておく。

2
木材の余計な部分を電動糸鋸で切り落としたら、彫刻刀でパンとチーズの段差を彫っていく。

3
パンの高さがチーズの高さよりも一段低くなるように、パンの表面を2㎜ほど彫刻して下げる。

4
半分にしたパンの間のチーズ部分は、重力を表現するために真ん中を窪ませる。ドリルで穴を開け、ミニルーターで穴を広げる。

5
チーズ部分の表面にやすりをかけて滑らかにしたら、チーズ1枚の厚みを残して裏面から削っていく。

6
ミニルーターを使って食パンの耳や表面部分に細かい溝、気泡の穴をほどこしていく。先端のビットの太さを変えて質感を調整。

7
アクリル絵の具で着色していく。チーズの厚い部分、薄い部分の差が出るように塗るのがポイント。チーズ部分にニスを塗って完成。

 

 


キボリノコンノ作品集 キボリアル

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