営業写真の撮り方見本帖
第4回

ロケーションを活かした家族写真のテクニック

いわゆる「写真館」では、人々が迎えた人生の節目や記念日の姿を写真に残すことを業としています。こうした写真を一般に「営業写真」と呼びますが、近年の営業写真は写真館の中で撮影するだけでなく、屋外で撮影するロケーション撮影も増えてきています。

営業写真の撮り方見本帖」では、和装撮影をメインに活躍しているフォトグラファーの北井一大さんによる撮影の手法から心構えを伝えています。結婚式などのイベントや日常のワンシーンを思い出の1枚として残す技術と、それより先に持っておくべき考え方を学ぶことができる1冊です。

本記事ではChapter2「ジャンル別で見る営業写真の実践テクニック見本帖」より、並木道のロケーションを活かした家族写真のテクニックについて解説します。

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奥行きのある並木道を生かしながら撮る

撮影は夕方に行いました。つまり、サイド光は太陽が低い位置にある夕方の光を使っています。温かみのある色合いを意識しながら現像しました。 マニュアル露出 F2 1/1600秒 ISO640 135mm

人物の間からわざと背景を見せる

落ち葉の敷き詰められた並木道が印象的なロケーションです。お子さんを真ん中にしつつ、お父さんとお母さんは少し離れた位置に立ってもらっています。これは、向こう側の風景をよく見せるための配置です。この立ち位置にすることで、並木道の奥行き感が強調できます。さらに樹木の高さを表現するために、縦位置で撮影。望遠レンズで背景をぼかしていますが、奥行きがあることで、背景ぼけがより強調されています。

ここではお子さんにだけポーズを取ってもらっているのもポイント。こうすることで、お子さんの元気な様子に焦点が当たります。ちなみに、奥でも写真を撮っている人たちがいましたが、見えないようにお子さんで隠しています。これは背後に人が入りそうな場面で有効なテクニックです。

Lighting Point
左から射し込むサイド光を利用。ハイライトが人物の左半分に入ることで、立体感が出ています。樹木で光が遮られないように、太陽がきちんと当たる位置に立ってもらっています。

撮影のポイント

  1. 人物同士の間から奥行きのある並木道を見せる
  2. 縦位置で樹木の高さを強調する
  3. サイド光が当たる位置に立ってもらう
  4. 奥行きのある場所を使って、背景を大きくぼかす
  5. 中望遠レンズで遠近感を圧縮しドラマチックに
  6. 子どもだけポーズを取ってアクセントに
  7. 人物で背後の要素を隠す

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