カッコいいスナップ写真の撮り方
第5回

旅先で素敵なモチーフを見つけた時、心がけること

今や誰もがカメラを手にして、日々の記録を写真として残す時代になりました。スナップ写真と呼ばれるジャンルは、目の前の景色、日常を残すという意味では、私たちが最も親しんでいるジャンルかもしれません。

カッコいいスナップ写真の撮り方」では、日頃私たちが撮っているスナップ写真をよりカッコいい作品へと高めていくための秘訣を伝授。著者の野寺治孝さんによれば、「カッコいいスナップ写真」とは「独自の視点」「写真的感性」「空気感の表現」「個性的に撮る」という4つのポイントを押さえた写真としています。自分なりの工夫や視点を持ち、機材やテクニックに頼らず、それでいて場の空気をしっかり捉えることであり、本書ではそれを実践するための考え方について、様々な作例を使って説明します。

本記事ではChapter4「旅」より、「逆光で輝く路面電車」例とした撮り方、考え方について抜粋して解説します。

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カッコいいスナップ写真の撮り方

よほど特殊な被写体の撮影でなければ、旅写真のほとんどはスナップ撮影になると思います。撮り慣れた場所と同じように撮れればいいのですが、これがなかなか難しいのです。それは見るものが珍しいので気持ちが盛り上がってしまい平常心でいられなくなるからです。具体的には画角が広すぎて情報過多になりテーマがぼやけたり、平凡な記念写真で終わっていたりします。要は地に足がついておらず、心ここにあらずで散漫な写真になりがちですので注意しましょう。

せっかく日常とは違う素敵なモチーフが目の前にあるのですから、まずは冷静に被写体を見てください。相当クールになるくらいでちょうどいいと思います。

逆光で輝く路面電車

流し撮りは複数枚撮った方が確率が上がる。

DATA
高知県・高知市・潮江橋上/午前7時頃
フルサイズ・デジ⼣ル⼀眼ミラーレスカメラ
24-105mm F4(85mm付近)
1/6400秒 F4 絞り侵先AE -1/3補正 ISO500

撮り方&仕上げ方
ピントは画面下の窓の縁に合わせる。シャッタースピードを早くしてブレなぃようにする。露出はややァンダーにする。走行中の電車の速度に合わせて流し撮りをする。1回ではなかなか難しいので、モニターを確認して何回かチャレンジする。レタッチでは黄をやや上げて朝日を表現する。

NOTE
早朝、橋の上を路面電車が滑走していた。まだ乗車客は少ない。橋の上なので朝日を遮るものもなく逆光の中で輝いていた。パンタグラフの枠中に太陽を入れてハレーションが写り込む絵作りを目指した。それはできたが、今となってみると乗車客のシルエットが写っていてもよかったと思う。


カッコいいスナップ写真の撮り方

著者プロフィール

野寺治孝

1958年千葉県浦安市生まれ。写真家。海や日常風景の周りに漂う空気感や自然光を活かした撮影に定評があり多くのファンを持つ。主な仕事に松任谷由実のコンサートパンフレットとCD ジャケット、丸の内カレンダー(三菱地所・伊東屋)、サマーグリーティング切手2015 、2016年(日本郵便)などの撮影を手掛ける。その他雑誌、写真展、講演、写真集など多数。
ウェブサイト:http://www.nodera.jp/

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