交換レンズを選ぶ際に重視するスペックは、焦点距離や絞り、最短撮影距離や手ブレ補正の有無、重量など、用途によって人それぞれです。しかし多くの人にとって最も気になるポイントは「実際に撮影した時にどう写るか」ではないでしょうか。誰しも買い物で失敗はしたくないもの。それゆえに「製品レビュー」は常に必要とされ、読まれるのです。
家電量販店のヨドバシカメラが運営している「フォトヨドバシ」は、カメラボディやレンズを実際に使用し、作例とレビューを掲載しているWebサイト。「ソニーEマウントレンズ 完全レビューブック」は、その中からソニーEマウント用レンズ90本のレビューを抽出し、書籍としてまとめたものです。
本記事では掲載レンズのうち、「SONY SEL70300G FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS」のレビューを抜粋して紹介します。
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全幅の信頼を置ける望遠ズーム
誇らしげな「G」のマークは高級レンズの証。美しいボケと高い解像感を両立した、ソニー渾身のレンズシリーズです。
テレ側が300mmまであると、作画のバリエーションは格段に広がります。風景は広角と思われがちなのですが、意外にも広大な場所では望遠ズームの方が使いでがあるものです。防塵防滴にも配慮した設計が施されており、フィールドに持ち出すには好都合。撮影をスタートすると怒涛の解像力にただただ目を見張るばかり。被写体のディテールまでつぶさに描き出し、非常にメリハリのある描写が楽しめます。カメラの性能に負けない、まさに現代レンズらしいキレ味を持った1本といえるでしょう。
逆光、しかもちょっと意地悪な角度でトライするもゴーストやフレアの発生はほとんどなく、大変ヌケのよい描写をみせてくれました。テレ端300mmと最短0.9mのスペックを活かせばテレマクロ的な使い方もできるので、これ1本であらゆるシーンに対応できそうです。よい写真を撮るためにも、そして撮り続けたいというモチベーションを維持するためにも、きっと一役買ってくれるレンズです。