交換レンズを選ぶ際に重視するスペックは、焦点距離や絞り、最短撮影距離や手ブレ補正の有無、重量など、用途によって人それぞれです。しかし多くの人にとって最も気になるポイントは「実際に撮影した時にどう写るか」ではないでしょうか。誰しも買い物で失敗はしたくないもの。それゆえに「製品レビュー」は常に必要とされ、読まれるのです。
家電量販店のヨドバシカメラが運営している「フォトヨドバシ」は、カメラボディやレンズを実際に使用し、作例とレビューを掲載しているWebサイト。「キヤノンEF&EF-Sマウントレンズ 完全レビューブック」は、その中からキヤノンEFマウント用レンズ157本のレビューを抽出し、書籍としてまとめたものです。
本記事では掲載レンズのうち、「SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art」のレビューを抜粋して紹介します。
世界初のスペック、さてどう料理するか
Artシリーズ、20mmでF1.4大口径という意欲作。諸収差を徹底的に抑え込み、至高の写りを目指した1本。
超広角ゾーンの入り口といってよい焦点距離にも関わらず、ぼけ味の佳さに感心しました。画面全体において絞り開放からシャープな像を結び、とにかく平坦性が高く淀みのないクリアな写り。光量の乏しい引きの利かない室内撮影から、歪曲のなさから都市光景・建築写真にも向き、諸収差を抑え込んでいることから星空の撮影にも向いているでしょう。
開放で置いたピントピークからアウトフォーカスへなだらかにぼけは連なり、その対比で立体感のある描写を実現しています。世界初となったスペックのレンズ。これまでに存在しなかったわけですから、撮り手のトライがそのまま先例となっていきます。ぜひ手にしてみてください。この画角で絞りを開けて、ストリートスナップなどもおもしろそうですね。(K)